第41回核医学会総会
演題一覧 10/17 No.1-120
- 1
センチネルリンパ節のイメージングのためのコントラスト強調法の提案
- 尾川 浩一
- 乳癌や消化器癌におけるセンチネルリンパ節の放射性同位元素を用いた生検は、新しい治療につながる方法として注目されている。この生検では一般に放射線をγプローブなどによって計測することによって、問題となるリンパ節の特定が行われている。一方、術前にセンチネルリンパ節の詳細な映像化が可能となれば、生検時のオリエンテーションに役立つと考えられる。ところが、このようなリンパシンチグラフィでは、センチネルリンパ節への集積が背景部に対してわずかなコントラストとなるのみで、明瞭な映像化が困難なものとなっていた。本報告では、センチネルリンパ節シンチグラフィの特徴を考慮し、わずかなコントラストの画像から集積部を明瞭に描く方法を提案し、臨床画像への適用の結果から本手法の有効性を示す。
- 2 乳癌におけるTc-99m nanocolliod
をもちいたセンチネル節生検(中間報告):一日法と二日法の検討
- 小泉 満
- 乳癌での核医学手法を用いるセンチネルリンパ節生検の有用性は間違いないものになってきたが、投与法、投与量、投与から手術までの時間などは様々である。『方法』25例の早期乳癌症例にナノコロイドを用いて二日法(手術前日夕方投与-翌日午前手術)と一日法(手術当日朝投与-午後手術)の2つのスジュールでのシンチグラフィの結果および手術中のセンチネル節検出を調べた。至適投与放射能量を調べる目的で各々で漸減法を用いた。病理学的検討も行った。『結果』2スケジュールとも全例でセンチネル節の同定が可能であった。センチネル節への集積にはバラツキがあった。病理検査でセンチネル節の結果は現時点で全例満足のいくものであった。『まとめ』乳癌における核医学手法をもちいたセンチネル節の検出を行い、検出及び病理結果では共に満足できた。
- 3
乳癌における99mTc-Snコロイド センチネルリンパ節シンチグラフィ
- 野口 敦司
- 乳癌患者141例において<SUP>99m</SUP>Tc-Snコロイドを用いてセンチネルリンパ節シンチグラフィを施行し、撮影条件等について検討した。 手術前日に<SUP>99m</SUP>Tc-Snコロイド40MBqを腫瘍周辺4ヵ所に注入し1時間後に、また手術が午後に行われた症例では18時間後にも撮影を行った。撮影は注射部位に鉛板を置き、腕を挙上し正面および斜位像で行った。注射後1時間でセンチネルリンパ節が描出されたのは75例(53.2%)、18時間後に撮影できた44例のうち描出されたのは36例(81.8%)であり、両方あわせてトータルの同定率は62.4%であった。
- 4
センチネルリンパ節を対側腋窩に認めた乳癌例
- 長谷川 義尚
- 症例:67才、女性。 主訴:左乳房腫瘍。
現病歴:平成12年10月初め、左乳房腫瘍に気付き、同6日当院受診。穿刺細胞診で乳癌と診断され、同31日当院入院。
入院時現症:左乳房に2.5×1.5cmの腫瘤を触知した。両側腋窩には腫瘤を触知せず。入院時検査成績:マンモグラフィ、C5。経過:同年11月8日、センチネルリンパ節(SN)シンチグラフィ施行。99mTc-Snコロイド47.2MBq(0.3ml)を腫瘍直上部皮下2個所に注射し、1時間後にシンチグラフィを施行。シンチグラムでは左右両腋窩に各々強い集積像を認めた。同9日、左乳房部分切除術、左腋窩リンパ節郭清術、および右腋窩SN生検術を施行。腋窩SNは左右に2個宛認められ、迅速細胞診および組織診は陰性であったが、永久標本では微小転移を認めた。
結語:乳癌のSN生検術においては対側腋窩のSNの存在にも留意する必要がある。
- 5
乳癌センチネルリンパ節生検における安全な施行法の検討
- 福喜多 博義
- 乳癌の術前Sentinel Node
Biopsyを施行する場合、我が国は使用可能な放射性薬剤が限られることや、医療スタッフに対する被曝などさまざまな問題点をかかえている。そこで、現在入手可能な放射性薬剤<SUP>99m</SUP>Tc-HSA、<SUP>99m</SUP>
Tc-HSA(D), <SUP>99m</SUP>
Tc-(Sn)colloid、<SUP>99m</SUP>
Tc-Phytateを用いてSentinel Lymph
Node(SLN)の同定を目的としたリンパ管シンチグラフィを施行した場合の、体内動態、SLNの検出能、摘出標本からの医療スタッフへの被曝などについて検討した。方法は、全症例ともおよそ40
MBqを腫瘍近傍の1ないし2箇所に皮下注射し投与直後から経時的に撮像し、投与後6時間まで体内動態を観察した。また、翌日施行された手術後の摘出標本の放射能量をサーベイメータを用いて測定し、医療スタッフの被曝線量を推定した。
- 6
当センターにおける乳癌センチネルリンパ節検出の際のRIからの被曝線量
- 水野 秀之
- 当センターにおけるRIを用いたセンチネルリンパ節作業において、医療従事者の被曝線量を測定した。Tc-99m
18.5MBqで標識された人血清アルブミンを患者に投与し、1〜2時間後に手術を開始する。バックグラウンドレベルの放射線量の測定なので、0.01μSvまで測定できるポケット線量計PDM-101(Aloka製)を用いた。測定結果をもとに、投与点までの距離、作業時間による被曝線量を推定した。
- 7
当院におけるセンチネルリンパ節シンチグラフィの経験
- 鎌田 憲子
- 乳癌患者において,不必要な拡大手術を避ける目的で、術前にセンチネルリンパ節シンチグラフィの併用が行われるようになっており,当院においても2000年11月から院内の倫理委員会の承認を得て施行している。2000年11月から2001年4月までに38例,右15,左21,両側2例,計40乳房で検査を行った。当初はスズコロイドを用いていたが、センチネルリンパ節への集積が不良であったため、現在はフチン酸を用いており、34例,36乳房でフチン酸を用いた検査が行われた。フチン酸を用いた36乳房中、センチネルリンパ節と思われる集積は35乳房で見られ,1ヶ所10乳房,2ヶ所13乳房,3ヶ所以上12乳房であった。本検査を併用することにより,高齢者や比較的腫瘍が限局しているような症例の手術において,不必要な拡大手術を避けることが可能となっており、患者のQOLの改善に有用と考えられる.
- 8 骨シンチ併用によるリンパSPECT
- 佐藤 順一
- センチネルリンパ節の局在を同定する目的で、RI標識コロイドを用いたリンパシンチグラフィにおいて骨シンチ製剤を追加投与しSPECTの撮像を行い検討を行った。リンパシンチグラフィは、99mTc標識コロイド製剤もしくはフチン74MBqを腫瘍周囲に投与しplanner像の撮像を行い、その後99mTc-HMDPを185-370MBq静注し、静注後3時間以降にSPECTの撮像を行った。得られたprojection
dataについて一定カウント以上を定値とする処理を行った後、OS-EM法を用いて画像再構成を行い、MIP画像を作成した。これらの処理により、RI投与部位の高放射能部分による影響を抑制し、センチネルリンパ節の解剖学的な局在の同定が容易となり、術前検査としての有用性が示唆された。
- 9
半導体ガンマカメラによる食道癌センチネルリンパ節画像化のファントムを用いた検討
- 藤井 博史
- (目的)Digirad社製半導体ガンマカメラを用いて食道癌のセンチネルリンパ節(SN)の描出の可能性をファントムを用いて検討した。(方法)心筋ファントムRH-2型の水を満たした縦隔部分に、投与したRI(74MBq/1cc,
7.4MBq/1cc)とSN(投与量の1%,
0.1%、容積は0.1cc)を模した線源を0〜7.5cmの間隔で配置して半導体ガンマカメラで撮像し、SNの描出の可否を調べた。(結果)投与量74MBq/1ccでは、高分解能コリメータにより3cm以上の距離のSNを描出でき、投与量が7.4MBq/1ccでは、高感度コリメータにより5cm以上の距離のSNを描出できた。投与部位の遮蔽はSNの描出能を改善した。(結論)適切なコリメータの選択や遮蔽を行えば、半導体ガンマカメラにより、食道癌のSNの描出が可能である。
- 10
センチネルリンパ節の検出における基礎的検討
- 金谷 和子
- γカメラ(SHRコリメ-タ装着)とγプロ−ブ(C-Trak)の<SUP>99m
</SUP>Tcコロイドの検出能に関する基礎的検討を行った。検出限界(BGレベル)を比べると、γプロ-ブの方が5倍感度が高かった。乳がんにおけるセンチネルリンパ節の(n=19)重量は、平均0.44±0.28(g)(0.108〜0.965)で、RIの投与量に対する割合は、0.24±0.26(%)(0.02〜0.9)となった(0.82±0.81(%/g)。γプロ-ブの等感度曲線では、プロ-ブの表面のカウントを100%としたとき、中心軸上に5mm、10mm、20mmの距離で、各々63.6%、36.6%、15.6%となった。さらに、中心軸上5mmの距離で、外側5mmの位置では表面の36.6%となった。この測定範囲では、空中に対して人体組織等価物質を用いると、約4%減少したカウントになった。γプロ−ブはγカメラに比し検出感度は高いが、深さ方向に感度の低下が著しく、検出範囲が狭く限定されていた。
- 11
モバイル型シンチレーションカメラDigirad2020tcを用いた核医学検査の有用性
- 成田 浩人
- 【目的】半導体検出器式モバイル型シンチレーションカメラを用いた核医学検査の有用性を検討する。【方法】限られた視野での検査および半導体検出器の特性が臨床使用において適するかどうか、臨床使用、特性評価によって検討する。【成績】20×20cmの視野内に内包できる小臓器の他、ダイバージングコリメータを使用することによって肺塞栓症の診断も可能であった。感度はNaIシンチレーションカメラ+LEHRコリメータと比べて0.9倍であった。【結論】半導体を検出器に使用したため検出部が軽量であり、そのため支持器の自由度が大きく、臨床使用において撮像部位に近接できた。コリメータの選択により、多くの検査に使用可能であった。ICU,Ope室での緊急を要する検査にも十分対応でき、核医学検査に有用であった。医療法施行規則の一部改正もあり、今後の核医学診療に幅ができたと考える。
- 12 ノート型ガンマカメラの使用経験
- 一柳 健次
- ガンマカメラは大型で固定されており移動することが不可能であった。ノート型ガンマカメラ デジラド2020は、カメラヘッドが縦320mm、横275mm、厚さ78mmとノート大であり、コントロールユニットも縦127cm、横幅76cm、奥行き117cmとコンパクトであり搬送可能である。検出モジュールはCsIクリスタルとフォトダイオードの組み合わせで構成されており、4096個をタイル状に配列したマルチクリスタルカメラである。有効視野は20cm×20cmで、総合空間分解能7.7mmである。骨スキャンでは足の屈曲の為に適切な撮像方向を取れない場合にもカメラヘッドが小さいため適切な撮像方向で撮像でき、心ゲートプールでは簡便に近接してデーター収集可能であり、手術室でもセンチネルリンパ節に利用可能である。近接によって鮮明な画像使える事や軽量コンパクトで可搬性がある為検査の柔軟性に対応でき、臨床的な有用性が拡大した。
- 13
頭頚部領域における小型半導体ガンマカメラの臨床試用
- 土持 眞
- 私達はCdTeを用いたガンマカメラを開発しその性能評価を行い,
良好なエネルギー分解能, 空間分解能,
および感度に優れていることを報告してきた. 今回,
私達は頭頚部領域の各種疾患の検査に半導体ガンマカメラを試用し,
良好な画像収集が可能であることを認めたので報告する.
検出器はCdTe半導体array, プリアンプ,
鉛シールド部から構成されており, 平行コリメータを装着している.
対象疾患は顎骨骨髄炎, 口腔癌, 唾液腺腫瘍, 甲状腺腫,
顎関節疾患などである. シンチレーションカメラとの比較も行った.
小型半導体ガンマカメラは性能に優れ,
廉価であるという利点を持っている.
頭頚部や表在性の疾患の検査に有用と思われた. (平成11, 12,
13年度文部省科学研究費補助金(課題番号11557142))
- 14 パーム型ガンマカメラの開発
- 河野 匡哉
- Radio guided
surgeryで使用される術中プローブは臓器に接触させることで病巣部やリンパ節の放射能を検出して切除範囲の決定に利用されている。プローブは計数率のみの測定であり画像は得られない。術中に病巣部放射能の画像化が可能であればプローブよりも容易かつ正確に病巣の特定が可能となる。そこで術中用小型高分解能ガンマカメラを開発した。検出器は2mm四方のテルル化カドミウム亜鉛(CZT)半導体を16x16の256個配置し視野は32mmX32mm、コリメータは厚さ10mmタングステン製で2mm四方のpixelに合わせて配置した。外寸は縦60mm横60mm高さ200mmで重量は807gであり、術中に用手保持可能な外寸と重量を達成した。この術中用小型高分解能ガンマカメラはほぼリアルタイムで放射能の画像化が可能であり、Radio
guided surgeryに有用であると考えられた。
- 15
ノイズ除去機構を有するポジトロン術中プローブの開発
- 山本 誠一
- ノイズ除去機構を有するポジトロン術中プローブの開発を行った。プローブはプラスチックシンチレータとBGOを積層し光電子増倍管(PMT)に接続した構造とした。腫瘍から放出されたポジトロンはプラスチックシンチレータに入射し発光し約20n秒で減衰する。プラスチックシンチレータでエネルギーを失ったポジトロンは2本の511keVのガンマ線を放出する。その一方はBGOに入射し、発光し約300n秒で減衰する。この発光波形の違いを用いることにより検出した事象がポジトロンによるものかノイズとして除去するバックグランドガンマ線によるものかを判別する。判別によりポジトロンのみを検出可能とした。開発したプローブの基礎的な性能を報告する。
- 16
原発性肺癌の『早期』予後の予測におけるTc-99m MIBI
SPECTの有用性
- 荒谷 泰三
- (目的)原発性肺癌における早期予後の予測におけるTc-99m
MIBI (MIBI)
SPECTの有用性を検討した。(方法)対象は腺癌14名、扁平上皮癌9名、小細胞癌3名の計26名である。術前又は放射線や化学療法前にMIBI
600Mbeqを投与し15(早期)、180分後(後期)にSPECT像を撮像した。腫瘍部と対側肺に同一のROIを設定し、早期、後期相の腫瘍/対側肺の集積比を各々ER、DRとして計測し、各腫瘍の排泄率
(WR)を算出した。早期予後の評価として、治療後18ヶ月における生存の有無により、対象を生存群(G)、死亡群(P)の2群に分類し、治療内容により手術後生存群(1)、同死亡群(2)、放射線・化学療法後生存群(3)、同死亡群(4)の4亜群に分類した。(結果)ERはG群がP群より、亜群1が2より有意に高かった。DRやWRは、各群間で有意差はなかった。(考察)肺癌、特に手術適応症例での早期予後の評価にはERが有用である。
- 17
Tl-201SPECTによる肺癌の予後の予測
- 一柳 健次
- Tl-201は頭頚部腫瘍や甲状腺癌の診断に有用であり、肺腫瘤の良悪性の鑑別に役立つ。
- 肺癌においてはTl-201摂取率は悪性度と相関があり、Tl-201集積率の程度から予後が推定できる可能性がある。今回我々は、1985年7月より1991年3月までの期間に,非小細胞癌は手術、小細胞癌は細胞診及び生検にて肺癌と確診できた症例で、手術前あるいは化学療法前にTl-201肺SPECT検査を施行した肺癌99症例(男76人、女23人)を対象とし,Tl-201肺SPECTで得られたearly
ratio,delayed ratio,retention
indexを対象患者の年齢、性、TNM分類、病理組織との相関を検討した.結果はdelayed
ratioと年齢,N分類を除いて有意の差を認めなかった.また,early
ratio,delayed ratio,retention indexと予後との相関は,delayed
ratio1.7未満の群と1.7以上の群で比較するとP=0.0031で1.7未満の群が予後がよかった.early
ratioとretention indexは予後に有意差がなかった.delayed
ratioはstage氓フ31症例においても,1.7未満の群と1.7以上の群で比較するとP=0.029で1.7未満の群の予後がよかった.以上よりTl-201肺SPECTによる肺癌の予後推定の可能性が示された.delayed
ratioは肺癌の生物学的悪性度を反映するパラメータと考えられた.
- 18
口腔癌の動注・放射線治療併用における201Tl-SPECTの有用性
- 河中 功一
- 【目的】口腔癌に対する動注放射線療法の治療効果判定における201Tl-SPECTの有用性について検討した。【方法】対象は全例手術が施行され、術前に動注放射線治療を施行した口腔癌6症例7病変(歯肉癌4例、頬粘膜癌2例、舌癌1例)である。治療前後に201Tl-SPECTを施行し原発巣への201Tl集積と治療効果との関係を検討した。【結果】組織学的治療効果判定では全症例で大星・下里分類2b〜4bに相当する良好な治療効果が得られた。201Tl-SPECTでは、治療前全例に原発巣への201Tl集積を認めた。治療前の201Tlの集積は治療後6病変(86%)で低下し、1病変(14%)では上昇した。病理学的に残存腫瘍を認めない5病変でも治療後の201Tl集積を認めた。【結論】治療前後の201Tl集積低下は治療効果を反映するも、治療後の集積は組織学的な腫瘍のviabilityを反映しなかった。
- 19 <SUP>201</SUP>Tl
SPECTによる定位脳手術的照射の治療効果の予測
- 滝 鈴佳
- <SUP>201</SUP>Tl SPECTの,
脳腫瘍に対する定位脳手術的照射(SRS)の治療効果予測の可能性について検討した.
LINIACによるSRSが行われた脳腫瘍18病変(13例)を対象とし,
治療前と治療1 ヶ月後に<SUP>201</SUP>Tl
SPECTを施行した.
3ヶ月後のGd-DTPAによる造影MRIで造影される病変サイズが治療前と比べ縮小または不変であったものをコントロール良好群,
治療前より増大したものを不良群とした.
1ヶ月後の<SUP>201</SUP>Tl uptake
ratio(病変部の平均カウント/正常対照部の平均カウント)が治療前と比べて低下した場合を治療効果ありと仮定すると,
early ratioを用いた場合は感度, 特異度, 正診率はそれぞれ77%,
40%, 67%であり, delayed ratioを用いた場合は, 85%, 60%,
77%であった.
- 20 Tl-201
SPECTによる肺癌の術前放射線化学療法の効果判定 -組織学的治療効果判定との比較-
- 山路 滋
- 術前放射線化学療法を施行した非小細胞肺癌患者10人の治療前後にTl-201
SPECTを施行した。原発巣のTlの集積度(Early ratio, Delayed ratio,
Retention index)
の変化と肺癌取扱い規約におけるCTでの縮小率による効果判定(奏効度)および手術標本での組織学的治療効果判定との比較を行った。組織学的治療効果判定ではEf2(中等度の効果)が8例、Ef3(著効)が2例であった。Ef3の2例はCTでの奏効度ではPRであったがTlの集積度は治療前に比べ著明に低下していた。奏効度ではPRが7例、NCが3例であった。NCの3例では治療後のTlの集積度は治療前に比べ低下しており、組織学的治療効果判定基準でも
Ef2の効果が見られた。Tl-201
SPECTは放射線化学療法後の残存腫瘍のviabilityの有無を良く反映しており治療効果判定に有用と考えられた。
- 21
食道癌の診断と治療効果予測におけるTl-201
SPECTの有用性に関する検討
- 大道 雅英
- 背景と目的:近年食道癌に対する化学放射線療法が注目を集めている。一方同疾患におけるTl-201
SPECTの有用性は明らかでない。今回我々は化学放射線療法を施行した食道癌におけるTl-201
SPECTの有用性について検討した。対象と方法:化学放射線療法が施行された食道癌患者22例を対象とし、治療開始時と40Gy照射時にTl-201
SPECTを撮像した。早期像と後期像の腫瘍/健常組織集積比(early
ratio(ER)、delayed ratio(DR))、retention
index、治療開始時と40Gy照射時のER、DRの減少率(%reduction)を求め、治療効果との関連を調査した。結果:22病変中20病変でTl-201の異常集積が認められた。また腫瘍の縮小より早期にTl-201の集積低下とER、DRの低下傾向が認められ、形態学的変化より早く治療効果を評価可能と考えられた。しかしER、DR、%reduction、retention
indexと腫瘍の制御期間に関連は見出せなかった。
- 22
頭頸部腫瘍の治療効果予測におけるTc-99m MIBI
SPECTの有用性の検討
- 佐藤 公彦
- 【目的】頭頚部悪性腫瘍の治療効果予測における<SUP>99m</SUP>Tc-MIBI
SPECTの有用性を検討した。【方法】対象は、頭頸部悪性腫瘍14例。15分後の早期像と2時間後の後期像を撮像した。腫瘍とバックグラウンドにROIを設定し、early
ratio(ER)、delayed ratio(DR)、retention
index(RI)を算出した。治療効果をPR群(n=10)とNC群(n=4)の2群に分類した。【成績】PR群、NC群のMIBI
ERはそれぞれ平均2.62、1.95、DR:1.29、0.78、RI:-0.49、-0.60でありいずれも有意差を認めなかったが、MIBIのDRにおいて、NC群がPR群に比べて低値を示す傾向にあった(p=0.066)。【結論】MIBIのDRにより放射線・化学療法の治療効果をある程度推測することが可能と思われた。
- 23
乳癌病巣の<SUP>99m</SUP>Tc-MIBI洗い出し率による再発予測に関する検討
- 鈴木 天之
- 乳癌病巣からの<SUP>99m</SUP>Tc-MIBIの洗い出しの程度から、再発を予測することができるか検討した。1996年2月から1998年1月の2年間に<SUP>99m</SUP>Tc-MIBIシンチマンモグラフィを施行した乳癌患者37症例を対象とした。乳癌病巣部(L:
lesion)と対側健常乳腺部(N:
normal)にROIを設置し、そのカウントを測定した。投与10分後の早期像のL/N比(ER)と2時間後の後期像のL/N比(DR)から、洗い出し率retention
index [RI=(DR-ER)/ER]
を算出した。RI値が0以上で洗い出し率が低い12症例で再発を認めたのは1症例のみであった。RI値が0未満で洗い出し率が高い25症例では10症例に再発が認められた。RI値が低値を示した症例で再発しやすい傾向が示された(p=0.05,
Fisher検定)。乳癌病巣からの<SUP>99m</SUP>Tc-MIBIの洗い出し率が再発の危険因子となりうる可能性があると考えられた。
- 24
重粒子線治療前後におけるPET画像の治療効果判定への応用
- 今井 雄二
- 重粒子線治療を行った患者に対して、経時的にPET,
MRI検査を行い腫瘍及び周辺組織のFDG又はメチオニンの集積を定量的に評価して治療効果を判定する方法を開発した。重粒子線治療前後で数回のPET,
MRI検査を行った脳腫瘍症例を対象に、まずほぼ同時期におけるPET-
MRIの位置合わせをし、さらにある時期のMRI画像を基準として時期の異なるMRI画像間で位置合わせを行った。ここで得られた変換パラメータを用いてPET画像をリスライスし、同一被検者による時期の異なるPET画像のイメージの比較を可能とした。これらの画像に共通の3次元ROIを設定しRI集積の比較を行った。今回解析した治療後再発症例では、再発部位に3次元ROIを設定し、メチオニン集積の経過を定量的に測定した。又、治療対象部位の集積の変化も同様に共通のROIで評価した。本法により、RIの集積と照射の関係が評価できる可能性が示唆された。
- 25
腫瘍の放射線治療効果の判定を目的とする核医学診断薬剤の開発
- 上原 知也
- 腫瘍細胞の質的評価に優れた[<SUP>18</SUP>F]FDGや[<SUP>11</SUP>C]メチオニンによる核医学画像診断は腫瘍の放射線治療の効果判定に有用である.本研究では,汎用性に優れた放射性ヨウ素を標識核種とする治療効果判定薬剤の開発を目的として,細胞外マトリックス蛋白質であるテネイシンCに対する単クローン抗体(抗TN-C)および人工アミノ酸である3-iodo-α-methyl-L-tyrosine(IMT)の放射性ヨウ素標識を行い,重粒子線治療前後におけるC-10グリオーマ移植マウスにおける放射能分布を検討した.抗TN-Cは重粒子線照射による炎症部位への集積が観察され腫瘍の治療効果判定薬剤への応用は困難と考えられた.これに対してIMTは治療前の腫瘍への集積性を示す一方で重粒子線照射後の炎症部位への集積が認められず,腫瘍の治療効果判定薬剤としての可能性が示された.
- 26
肺癌のFDG集積と術後再発との関連性
- 有坂 有紀子
- 非小細胞肺癌のFDG集積と術後再発との関連性について検討した。対象は術前にFDG-PETを施行した非小細胞肺癌57例である。肺癌のFDG集積(SUV)、DNAフローサイトメトリーにより測定したDNA
ploidy
pattern、PCNA陽性率、病理病期分類及び腫瘍サイズと術後無病生存率との関連性についてmultivariate
Cox
analysisを用いて検討した。その結果これらの因子のなかでSUVが最も術後無病生存率と関連が強かった。すなわちSUV高値群(SUV>5)ではSUV低値群(SUV≦5)よりも有意に術後無病生存率が低かった。このことより術前にFDG-PETを施行することによって非小細胞肺癌患者の術後再発を他の因子よりも正確に予測できる可能性が示唆された。
- 27
肺癌FDG集積と癌遺伝子・癌抑制遺伝子・細胞接着因子の異常との関係
- 佐々木 雅之
- 【目的】肺癌FDG集積と癌遺伝子・癌抑制遺伝子・細胞接着因子の異常との関係を検討した。【方法】対象は術前にFDG-PETを施行した肺癌32例である。FDG-PETは投与45分後より15分間撮像しSUVにて評価した。癌遺伝子K-rasの点突然変異はPCR-oligonucleotide法,癌抑制遺伝子(p53,p16,Rb,p27)および細胞接着因子(E-cadherin,β-catenin)の異常は摘出標本の組織免疫染色にて検討した。【成績】それぞれの因子の異常の有無とFDG集積との関連は認められなかった。しかし,細胞周期を負に制御する癌抑制遺伝子であるp16,Rb,p27のいずれかに異常のある場合のFDG集積は7.22±2.94で,すべて正常な場合(1.74±0.42)よりも有意に高値であった(P<0.001)。 【結論】肺癌のFDG集積と細胞増殖の異常との関連が示唆された。
- 28
肺癌の定位放射線治療後の<SUP>18</SUP>F-FDGおよび<SUP>11</SUP>C-メチオニンを用いたPETによる評価
- 石守 崇好
- 肺癌の定位放射線治療後の経過観察における<SUP>18</SUP>F-FDGおよび<SUP>11</SUP>C-メチオニン(Met)を用いたPETの有用性を検討した。定位放射線治療を施行された原発性肺癌9例(扁平上皮癌6例、腺癌3例)について、治療開始1週間前・治療後1週間〜8ヶ月後に、MetおよびFDGを用いたPETをそれぞれ同日に施行。病巣への集積の変化をSUVにより評価した。治療効果は著効(CR)2例、有効(PR)7例であった。全例で治療前の原発巣はMet・FDGともに高集積を呈した。5例では治療後Met・FDGの集積はともに漸減傾向を呈したが、2例では治療の1〜2週間後、3例では3ヶ月以上後にMet・FDGともに一時的な集積増加がみられ、照射後の炎症への集積と考えられた。MetとFDGはともに放射線照射後の炎症へも集積し、Metの優位性は示されなかった。FDG-PETによる治療効果判定の有用性についてはさらに長期の観察が必要である。
- 29
FDG-PETを用いた耳下腺腫瘍の診断に関する検討
- 濱口 真吾
- 【目的】 FDG
PETにてWarthin腫瘍や多形腺腫などの耳下腺の良性腫瘍に高い集積が見られるという報告が散見されている。全身検索中に耳下腺に高集積を認めたため悪性腫瘍が疑われ手術を施行された良性腫瘍の症例報告もなされている。今回我々は耳下腺腫瘍におけるFDG
PETの意義の評価を試みた。<BR>【方法】
H11年6月以降に当院で耳下腺腫瘍の摘出術を施行され、病理診断の確定した24例を対象とした。また、<SUP>99m</SUP>Tcや<SUP>67</SUP>Gaよる診断に関しても評価を行った。<BR>【成績】
FDG
PETは種々の腫瘍で高率に高集積を呈した。SUVは良性腫瘍で4.68±2.73、悪性腫瘍で4.57±1.75であった。<BR>【結論】耳下腺腫瘍の良悪性の鑑別にはFDG
PETの有用性は認められなかった。FDG
PETによる全身検索にて偶然に耳下腺に高集積を認めた場合、転移や原発性の悪性腫瘍と誤診しないように注意する必要がある。
- 30
頭頸部癌発診断におけるFDG-PETとMRI/CTの比較
- 窪田 和雄
- 頭頸部癌の放射線化学療法後の再発診断について、前向き研究を行った。26人の患者の29病巣についてFDG-PETとMRI/CTの結果を後に行われた生検・手術・経過観察と比較した。PETはFDG投与2時間後に3D撮影し吸収補正した。PETは視覚的に評価した。【結果】感度(78%,67%;PETおよびMRI)、特異度(70%,20%)、正診率(72%,34%)pos.predic.value(54%,27%)、neg.pred.value(88%,57%).FDGは高血糖の篩骨洞癌と微少の上顎洞癌の2例で偽陰性、6人が擬陽性の内炎症反応が3人だった。放射線治療後PETまでの時間と特異度の関係は0.8-1.5ヶ月83%、2-6ヶ月71%、6ヶ月以降は100%。【結論】FDG-PETは再発診断にMRI/CTよりも優れており、neg.pred.valueが高い。
- 31
メチオニンPETによる頭頚部腫瘍の治療効果診断と予後評価
- 吉川 京燦
- PETによる重粒子線治療患者の治療効果・予後評価の検討を行った。対象は治療前後にメチオニンPETを施行し得た頭頚部腫瘍症例で長期経過観察し得た22症例を対象とした。最長70.3カ月の経過観察を行っている。治療前と治療終了後早期(3日〜35日、平均17日)の2回PETを施行し、治療前腫瘍代謝と治療前後代謝変化率を求め臨床経過と比較検討した。生存症例は平均50.6カ月の観察を行った(30.5〜70.3カ月)。死亡症例は平均22.2カ月の観察を行った(6.1〜51.7カ月)。治療前集積率と生存率、治療前後変化集積率と局所コントロールの関連をKaplan-Meier法を用い検討した。治療前腫瘍代謝による評価では腫瘍代謝の亢進は悪性度・転移出現の可能性を示唆し予後予測の指標となり得ると思われた。治療前後代謝変化率に関しては局所コントロールの良い指標となり得ることが示唆された。
- 32
C11-MET-PETによる乳腺腫瘍のimaging
- 田村 克巳
- 【目的】乳腺腫瘍におけるMET-PETのimagingを検討する。【方法】当センターにてMET-PETを施行した計5例が対象。1例は乳癌術後再発疑い、他は未治療症例。メチオニン集積に関してTMRによる評価を行った。うち4例はFDG-PETも施行した。【成績】1例はメチオニン集積が周囲乳腺組織と大差なく病理はfibrocystic
diseaseであった。3例は視覚的にメチオニン集積が高く病理は乳癌であった。再発疑いの1例においてもメチオニン集積が高度であった。乳癌4症例のTMRは平均2.90。FDG-PETでも乳癌症例は良好な集積を認めた。【結論】乳癌におけるメチオニン集積は良好で、FDG-PETと遜色ない集積を示すと考えられた。また良性腫瘍においてはメチオニン集積は低く、乳腺腫瘍において良悪性の鑑別・再発診断におけるMET-PETの可能性が示唆された。
- 33
C-11メチオニン(MET)PET像における食道描出
- 中駄 邦博
- [目的]
全身MET-PET像における食道の生理的描出の頻度と意義について検討した。[対象と方法] 食道疾患の既往のない49症例のMET-PET像(MET
静注20分後より3D収集してOSEM方法で再構成)を対象として食道描出の有無とその程度を検討した。[結果]
49例中14例
(29%)で明らかな食道描出が認められた。7例では頚部食道〜胸部食道全体の連続的描出で、7例では部分的ないし非連続的な描出であった。食道が唾液腺よりも強く描出された症例はみられなかった。食道描出は矢状断像で最も観察し易く、14例中1例を除き頚部ないし胸部の異常集積とは区別できた。[結語]
おそらく唾液中に排泄されたC-11のactivityにより、MET-PETで食道描出が少なからず認められる事が判明した。この事を認識しておく事は画像の解釈の上で有用と思われる。
- 34
実験的腫瘍及び炎症組織におけるFDG集積とGLUT発現の関係:インシュリン・グルコース負荷の影響
- 趙 松吉
- 腫瘍、炎症へのFDG集積にはGlucose
transporter
(GLUT)が関与していると考えられている。今回、腫瘍、感染性炎症、非特異的炎症モデルラットを用いて、インシュリン、グルコース負荷による病変組織へのFDG集積の変化に対するGLUTの役割を検討した。インシュリン負荷により腫瘍及び両炎症組織へのFDG集積は対照の約50%に低下した。このとき、総GLUT発現(GLUT1-5の和)は腫瘍で有意に低下したが、両炎症では変化しなかった。グルコース負荷時のFDG集積は両炎症で対照の約50%、腫瘍で約85%であった。このとき、総GLUT発現は両炎症で有意に低下したが、腫瘍では変化しなかった。FDG集積とGLUTのsubtype別発現には明らかな相関はなかった。インシュリン、グルコース負荷によるFDG集積の変化に対するGLUTの役割はこれらの病変の間で異なる可能性がある。
- 35
ロリプラムによる18F-FDG取込みの腫瘍/正常組織比の改善
- 細井 理恵
- 我々は昨年の核医学会においてPDE4の選択的阻害剤であるロリプラムによりデオキシグルコース(DG)のマウス脳および心筋の取込みが減少することを報告した。一方、18F-FDGはPETによる腫瘍の診断に最も利用されているが、正常心筋における取込みが高く、肺ガンの検出精度が低くなるという問題がある。今回は心筋への18F-FDGの取り込みを抑制する手段としてロリプラムを用い、腫瘍における18F-FDGの取込みに関する基礎実験を行った。雄性C3Hマウスに線維肉腫を移植し、血漿、脳、心筋、肺、筋肉、腫瘍における18F-FDGの経時的な取込みを検討した。ロリプラム投与により、18F-FDGの血漿中濃度は有意に増加したが、脳、心筋、筋肉では著明に減少したのに対し、肺では有意な変化を認めなかった。また、腫瘍における糖代謝にはあまり抑制が認められず、結果として腫瘍/正常組織比の著しい改善を図ることができた。
- 36
I-131標識およびY-90標識抗ヒト前立腺癌PSMAモノクローナル抗体J591の治療のための放射線線量比較
- 久慈 一英
- 米国で行われた前立腺癌患者における細胞外PSMA抗原に結合するモノクローナル抗体J591のI-131標識およびY-90標識抗体のヒト放射線線量計算について報告する。I-131標識抗体または、In-111-DOTA-huJ591静注後、1週間後まで経時的に全身前後像を得て臓器分布を得て、静脈血と尿も経時的に採取し放射能を計測した。線量計算は、MIRDOSE3.1に準じて行った。1週間後の全身残存量は、I-131で21.7±5.1%ID、In-111で75.7±5.3%IDで、尿排泄蓄積量は、I-131では70.1%ID、In-111では11.5%IDと著しく異なった。脱ヨード化に伴う肝臓分布と尿中排泄量の違いから説明できると考えた。いずれも赤色骨髄が制限臓器となった。血漿クリアランスから考えると、同量の放射能あたりY-90抗体はI-131抗体の約2倍に相当する骨髄線量がある。
- 37
In-111標識抗ヒトPSMAモノクローナル抗体J591体内分布に基づいた前立腺癌患者のLu-177放射線線量計算
- 久慈 一英
- Lu-177は、In-111およびY-90と同等に抗体標識でき、Y-90よりも飛程の短いβ線(498KeV)と撮像に適したγ線(113、208KeV)を放出する。米国でのLu-177-DOTA-huJ591を用いた前立腺癌ヒト臨床治療試験のため放射線線量計算を行った。In-111抗体を静注し、1週間後まで経時的に全身前後像を得て臓器分布を得て、静脈血と尿も経時的に採取し放射能を計測した。線量計算はMIRDOSE3.1に準じたが、Lu-177が未収載なので、S値を作成した後計算は同様のパラメータを用いて行った。放射性不純物についても考慮した。制限臓器は赤色骨髄で、同量の放射能あたりLu-177抗体はY-90抗体の約1/3の被曝量であると推測された。Lu-177においても安全に治療ができ、良好なイメ−ジングが治療と平行して行えるので有用な核種と考えられる。
- 38
血管新生阻害による放射免疫療法の効果増強
- 絹谷 清剛
- 癌病巣の発育、転移には腫瘍組織内の血管新生が不可欠である。放射免疫療法による癌転移巣制御法の確立をめざし、血管新生阻害剤との併用療法を試みた。大腸癌担癌マウスにおいて、I-131標識A7抗大腸癌モノクローナル抗体4.63
MBq一回投与による放射免疫療法と、血管新生阻害効果の知られているthalidomide
(200
mg/kg/day)の連日投与を行ったところ、腫瘍増殖抑制効果は単独治療群に比べ併用治療群において有意に増強された。腫瘍組織の抗第VIII因子抗体による免疫染色により、thalidomide投与群において血管密度が有意に低下していることが確認された。同様の治療効果増強効果が、他の血管新生阻害剤でも確認された。これらのことより、この手法の妥当性が示された。
- 39
RI標識抗体フラグメントの腎放射能集積の低減:腎刷子縁膜酵素の関与
- 藤岡 泰
- 放射性ヨウ素標識試薬3'-iodohippuryl
<I>N</I><SUP>ε</SUP>-maleoyl-L-lysine
(HML)により作製したHML結合Fabは、放射性ヨウ素で直接標識したFabに比べ、投与早期から腎放射能集積を低減する。低減機序として、腎刷子縁膜酵素の関与が予想されるが詳細は不明であるため、本研究では刷子縁膜小胞を用いるインビトロ実験で本酵素の関与を検討した。基質として、HMLの基本構造を有する3'-iodohippuryl
L-lysineを作製し、ラット腎臓より調製した刷子縁膜小胞と37
℃でインキュベートしたところ、TLC、逆相HPLCを用いた分析により、メタヨード馬尿酸の遊離が確認された。本検討結果は、HML結合Fabの腎放射能集積の低減が刷子縁膜酵素による放射性代謝物の遊離に基づくことを支持し、HMLの分子設計の正当性を示すと考えられる。
- 40 188Re-HEDP FOR TREATMENT OF PAINFUL
BONE METASTASES
- Hong Zhang
- This study investigated the
therapeutic efficacy of 188Re-HEDP in 61 patients with
different types of advanced cancer for the palliation of
painful bone metastases. The 61 patients were treated with 1.1
GBq MBq ミ 6.9 GBq of 188Re-HEDP. After treatment, patients were
clinically followed up at weekly intervals for the first two
months and monthly thereafter up to one year. Pain response was
scored by a three-point scale. Prompt and significant relief of
bone pain occurred 82% in all tumor type patients and of the
time with no significant side effects and hematopoietic
toxicity. This large patient clinical trial indicates that
Re-188-HEDP is a useful radiopharmaceutical for treating
painful bone metastases from various tumor types.
- 41 TRANSFECTED SODIUM/IODIDE SYMPORTER
(NIS) GENE ENHANCES IODIDE UPTAKE IN ANAPLASTIC THYROID CANCER
CELL MORE THAN IN NON-THYROIDAL CANCER CELLS
- Hwan-Jeong Jeong
- We investigated whether the potential
of NIS gene on iodide trapping may be different according to
kind of cells. We transfected hNIS genes into human anaplastic
thyroid carcinoma cell, human hepatocellular carcinoma cell and
colon carcinoma cell, respectively. The uptake, efflux,
inhibition by perchlorate of 125I and iodide uptake after
retinoic acid (RA) were examined. The highest uptake, the
slowest efflux, and the most increase after RA showed in the
ARO-NIS. In conclusion, effect of transfected hNIS gene on
iodide uptake was better in the thyroid cancer cell, despite of
anaplastic transformation, than in the nonthyroidal cancer
cells.
- 42 全身<SUP>67</SUP>Ga SPECT
による悪性リンパ腫の評価
- 戸川 貴史
- 低エネルギーコリメータとTEW法による散乱線除去を用いた
全身<SUP>67</SUP>Ga SPECT(WB SPECT)
を悪性リンパ腫40例(ホジキン病3例、非ホジキンリンパ腫37例)に応用し、従来の中エネルギーコリメータも用いた全身像と検出能を比較した。治療前評価が34例、再発巣評価6
例であった。 28例では、WB
SPECTが従来法に比べより多くの病巣を明瞭に描出することができた。描出病巣数が同数であった12例でも、WB
SPECT
は病巣のコントラストが鮮明であり、病巣の同定が容易であった。検出された病巣数は従来法では113病巣、WB
SPECTでは176病巣であった。WB
SPECTは従来の全身<SUP>67</SUP>Ga
イメージに比べ画質もよく検出率も極めて高く悪性リンパ腫の評価に優れていた。
- 43
悪性リンパ腫の初回Stagingにおける、FDG-PETと67Gaシンチの比較
- 山本 文泰
- FDG-PET、67Gaシンチ(SPECT)を初回Staging目的に施行した悪性リンパ腫患者27例を対象とし、両者の診断能について比較した。リンパ節病変と節外病変について各々FDG-PETと67Gaシンチを比較し、両検査所見が一致した場合をconcordant、一致しなかった場合をdiscordantとした。最終的な病変の評価は各種検査の総合所見によった。リンパ節病変では27例中11例(41%)がdiscordantで、節外病変では27例中7例(26%)がdiscordantで、リンパ節病変と節外病変を合わせて27例中14例(52%)でFDG-PETと67Gaシンチの所見はdiscordantであったが、67Gaシンチで指摘されFDG-PETにて指摘されなかった病変はなかった。以上の結果より、FDG-PETを施行可能な場合に67Gaシンチを追加する必要性は少ないと考えられる。
- 44
FDG−PETによるMALTリンパ腫の診断
- 樋口 徹也
- 【目的】粘膜関連領域(MALT)より発生するMALTリンパ腫は一般的には比較的予後良好であり、FDGの集積はなくPETによる診断の有用性はないと報告されている。今回、我々はMALTリンパ腫6例を対象にFDG−PET検査を施行したので報告する。【方法】原発部位別内訳は、胃2例、耳下腺2例、涙腺2例の計6例。一夜絶食後約300MBqのFDGを静注約50分後より同時収集法にて全身像を撮像し原発部に関心領域(ROI)を設定しSUV値を求めた。【成績】胃原発例では全く集積はなかった。涙腺、耳下腺原発例では、SUVはそれぞれ平均2.5、4.8であった。【結論】MALTリンパ腫でも、原発部位によってはFDGの集積が見られFDG−PET診断が有用であると考えられた。
- 45
<SUP>67</SUP>Ga集積のない骨浸潤に<SUP>18</SUP>F-FDG集積を認めたlymphomaの3症例
- 岡 卓志
- 症例1は7歳男児。上縦隔を原発とするnon-Hodgkin
lymphoma (T-cell lymphoblastic
type)にて臍帯血移植を行った。移植前後の<SUP>67</SUP>Gaでは後縦隔への進展を認めたものの骨浸潤は明らかでなく、<SUP>18</SUP>F-FDG PETでは左肋骨に骨浸潤が認められた。症例2は47歳男性。皮膚原発のSezary症候群(T-cell
lymphoma)の症例であり、大腿骨近位部に<SUP>18</SUP>F-FDG集積を認めたが、<SUP>67</SUP>Ga集積は認められなかった。症例3は27歳男性。両側頚部、鎖骨上リンパ節初発のHodgkin
diseaseの症例であり、<SUP>67</SUP>Gaでは右肋骨の集積は認められたものの胸椎への集積は明らかでなく、<SUP>18</SUP>F-FDG PETでは右肋骨から胸椎への集積を認めた。<SUP>67</SUP>Gaでは明らかではない骨浸潤を、<SUP>18</SUP>F-FDG PETで診断し得たlymphomaの3症例を経験したので報告する。
- 46
全身FDG-PETを用いた腫瘍スクリーニングの有用性の検討
- 宇野 公一
- 全身FDG-PETは、腫瘍検出への臨床的有用性が知られている。当院開院以来半年余り、既に555例のFDG-PETを施行した。全症例を検査の目的に従い3つのグループに分けた:1)健康診断グループ(S:n=317、57.1%)、2)腫瘍既往があり、担当医の紹介で検査を受けた症例(P1:n=145、26.1%)、3)腫瘍既往があり、担当医の紹介なしで検査を受けた症例(P2:n=93、16.8%)。P1およびP2グループでは、原発巣や、転移或いは治療後再発の有無を検索し、治療計画や経過観察に必要な情報が得られた。Sグループにおいても、自覚症状のない早期癌が検出された。一方、胃や膀胱に存在する腫瘍の検出にFDG-PETは限界があることを経験した。見逃しをなくすために、CT、MRI、超音波などの形態学的画像検査および他検査を相補的に行うことが重要であると考えられた。
- 47
原因不明腫瘍マーカー高値例でのPETの意義
- 安田 聖栄
- 原因不明の腫瘍マーカー(TM)高値例を対象とした場合のFDG
PETの診断率と治療方針決定に与える影響を調べた.【対象と方法】TM高値で従来の検査で異常がなくPETを実施した33例をretrospectiveに調べた.悪性腫瘍術後30例(婦人科9,大腸8,肺7,乳3,胃2,肝1)と手術既往のない3例である.TM高値原因病巣の最終診断は手術・組織検査か臨床経過によった.【結果】最終的に33例中19例で原因病巣が確定された.19例中PETは12例で陽性,7例で陰性であった.PET偽陽性はなくsensitivity
63%,specificity 100%,accuracy
79%であった.PETの結果33例中10例(30%)で治療方針が変更となった.【まとめ】原因不明TM高値例でPETは病巣の発見と治療方針決定で役立つ.
- 48 腫瘍マーカー高値患者におけるF-18 FDG
PETの有用性の検討
- 望月 孝史
- 【目的】腫瘍マーカー高値例において、腫瘍発生部位の検出にF-18
FDG
PETが有効であるかを検討した。<BR>【方法】1998年6月から2001年3月にFDG
PET検査を施行した23例を対象とした。12時間の絶食後FDGをIVし、1時間後よりemission
scanを行った。<BR>【結果】FDG異常集積は18例、異常集積なしは5例であった。異常集積18例中13例(72.2%)が悪性腫瘍への集積であり、5例で多発転移を指摘できた。18例中
5例(27.8%)でFDGの集積部位に悪性所見は認められなかった。FDG集積に異常のなかった5例中4例(80%)は他検査にても異常を認めなかったが、1例は再度FDG
PETを行い肝転移を指摘した。腫瘍マーカー別の検討では、FDG異常集積13例中12例でCEAが、1例でCA125が高値であった。<BR>【結論】腫瘍マーカー高値の症例において、悪性腫瘍の局在を知る検査としてF-18
FDG PET検査は有用であった。
- 49
婦人科癌転移巣検出におけるFDG-PETの有用性
- 村上 優
- 目的:転移の有無は治療方針に大きく影響してくるが従来の画像診断では十分な精度が得られていない。そこで婦人科癌で転移が疑われる患者に腫瘍マーカーを含む従来の画像診断(超音波断層法US、CT、MRI)に加えて、FDG-PETを行い、転移巣検出におけるFDG-PETの有用性について検討した。方法:対象は病理学的に婦人科癌と確定し転移が疑われるも腫瘍マーカーや従来の画像診断で確定できない症例に全身FDG-PETをおこなった。成績:全55例中33例に転移を認めた。腹腔内転移におけるSensitivityはPET/CT/MRI/US/Markers:91/64/90/50/75%,後腹膜リンパ節転移では93/69/100/27/67%,
Specificityは95/86/87/76/100%であった。 結論:腹腔内ばかりでなく後腹膜リンパ節の再発転移の確認および部位同定においてFDG-PETは有効な補助手段である。
- 50
原発巣不明の腫瘍あるいは炎症の全身検索におけるGa merged
SPECTの有用性の検討
- 工藤 元
- 我々は、SPECTによる全身検索が可能なGa-67
citrateのmerged
SPECTの有用性について検討してきた。原発巣不明の腫瘍あるいは炎症の全身検索として施行され、著明な異常集積を認め、CT、生検で病変を確認できた10症例の有用性について検討した。検査目的は、不明熱7例、炎症の全身検索2例、腫瘍の全身検索1例であった。検査はGa-67
citrate
111MBq静注48時間後にLEGPコリメーターを装着した2検出器型ガンマカメラ(GCA7200A/UI)で全身画像を50分間で収集した。10例中7例で病変が証明された。その内訳は、膿瘍3例、筋炎1例、ペースメーカー周囲の感染1例、皮膚サルコイドーシス1例、結腸癌1例であった。Ga
merged
SPECTは原発巣不明の腫瘍あるいは炎症の全身検索に有用と考えられた。
- 51 Tc-99m
MIBIによる骨髄転移の検出
- 若杉 茂俊
- Tc-99m
MIBIはTl-201や骨シンチトレーサに比べ骨髄集積親和性が高く、骨髄腫瘍、残存白血病の検出に有用であることを報告してきた。今回、骨転移検出における有用性をTC-99m
HMDPと比較した。99例の悪性腫瘍を対象とし、MIBIスキャンとHMDPスキャンの両方あるいは、いずれかが異常を示した373病巣について検討した。334病巣はplain
X-P, CT, MRI、骨髄細胞診あるいはfollow-up
HMDPスキャンでの異常集積の多発性出現より骨転移と確認された。168病巣の検出については両スキャンは一致したが、MIBIはHMDPに比べ、より多くの骨転移を検出した;284病巣(85.0%)>218病巣(65.3%),
p<0.005。MIBIスキャンは骨転移を早期の骨髄転移の段階で検出し、骨転移の早期治療戦略に有用である。
- 52 Tc-99m H-MDP
骨盤部SPECTにおけるOS-EM画像再構成法の有用性の検討
- 澤井 剛
- 精査の骨盤部SPECTにおいて、FBP法と比較し、OSEM法の有用性について検討した。対象は、13例(原発性骨腫瘍
3、転移性骨腫瘍疑い 8、大腿骨壊死 1、大腿骨頚部骨折
1)である。検査はTc-99m H-MDP
740MBq静注3時間後に、2検出器型ガンマカメラ(GCA7200A/UI)(LEHRコリメーター)で全身画像を撮像後、骨盤部SPECTを40分間で収集した。OSEM法は、iteration
4、subsets 10で再構成した。Streak
artifactは、FBP法では全例に認められたが、OSEM法では認められなかった。Negative
value
artifactは、FBP法で、股関節:10/13、恥骨:12/13、坐骨:5/13に認められ、膀胱の残尿が中等度以上に認められた症例は全例に見られた。OSEM法では認められなかった。OSEM法による骨盤部SPECTは、残尿が多い症例で特に診断に有用と考えられた。
- 53
pH感受性<SUP>99m</SUP>Tc(X)−DMSの骨親和性:破骨細胞の活性化と細胞内pH調節機構の関与
- 堀内 和子
- 腫瘍診断薬<SUP>99m</SUP>Tc(V)―DMS(DMS)は溶骨性骨転移部位への集積が報告されていることから、その集積には破骨細胞が関与していると考えられる。破骨細胞は低pH時に高い骨吸収活性を示すことから、本研究では、細胞内のpH調節に関与するNa<SUP>+</SUP>/H<SUP>+</SUP>交換輸送体、空砲型プロトンポンプ、Cl<SUP>−</SUP>/HCO<SUB>3</SUB><SUP>−</SUP>交換輸送体、carbonic anhydrase
II(CAII)の阻害剤によるDMS取り込みに対する影響を酸性pHで検討した。その結果、培養破骨細胞へのDMS取り込み量は阻害剤により減少し、破骨細胞活性化に伴うイオントランスポータ及びCAIIによるH<SUP>+</SUP>産生を介した細胞内の酸性化がDMS取り込みに関与することが示唆された。溶骨性骨腫瘍は破骨細胞の活性化と局所的な細胞外液の酸性化を伴うことから、溶骨性骨腫瘍の質的診断におけるDMSの有効性が示された。
- 54
溶骨性癌骨転移モデルにおける<SUP>99m</SUP>Tc(V)-DMSの骨病変部位への集積性と組織学的変化との関連性
- 福田 容子
- 低pH感受性薬剤<SUP>99m</SUP>Tc(V)-DMSによる溶骨性骨転移の早期検出の可能性を検討するために、溶骨性症状を示す兎乳癌扁平上皮細胞(VX2)を骨髄腔内移植した溶骨性癌骨転移モデルを作成し、病変部位での<SUP>99m</SUP>Tc(V)-DMSの集積を組織学的変化と関連して検討した。その結果、腫瘍巣での骨破壊及び腫瘍巣付近への破骨細胞の移動が観察され、その破骨細胞の局在性が放射能集積と相関していることがARGの検討により認められ、<SUP>99m</SUP>Tc(V)-DMSが破骨細胞に取りこまれている事が示唆された。また、SPECTを用いた検討で、<SUP>99m</SUP>Tc-HMDP及びX線では検出不可能であった病変部位に<SUP>99m</SUP>Tc(V)-DMSの顕著な集積が移植10日後から観察され、溶骨性骨転移病変部位の早期診断の可能性が示された。
- 55
RIの骨指向性キャリアとしての酸性ペプチドの評価
- 小川 数馬
- 骨に含まれる非コラーゲン性タンパク質には、酸性アミノ酸配列が多く含まれており、この配列がヒドロキシアパタイト(HA)への結合に関与することが知られている。最近、これに関連して、酸性アミノ酸から成る合成ペプチドが骨へ集積することが報告された。そこで、酸性ペプチドの骨指向性RIキャリアとしての評価を行う目的で、(L-Asp)<SUB>4</SUB>と<I>N</I>-succinimidyl-3-[<SUP>125</SUP>I]iodobenzoateが結合した[<SUP>125</SUP>I]IB-(L-Asp)<SUB>4</SUB>を作製した。本化合物をHAとインキュベートしたところ、HA量の増加に伴い、[<SUP>125</SUP>I]IB-(L-Asp)<SUB>4</SUB>のHAへの結合量は増加した。またこの結合は、ビスホスホネートであるHEDPの添加により阻害された。従って、[<SUP>125</SUP>I]IB-(L-Asp)<SUB>4</SUB>はビスホスホネートと同様の機序でHAへ結合すると考えられ、酸性ペプチドが骨指向性RIキャリアとして機能する可能性が示された。現在、[<SUP>125</SUP>I]IB-(L-Asp)<SUB>4</SUB>の体内動態を検討中である。
- 56 新しい骨シンチ製剤− Tc-99m
incadronateの基礎的検討
- 塩見 進
- 【目的】bisphosphonate製剤は骨吸収の抑制作用を有し、転移性骨腫瘍の治療において有効性が示されている。そのため、本剤の骨転移巣への集積程度によりbisphosphonate治療に対する効果判定が可能と思われる。incadronateは従来の製剤に比べより強力な骨吸収作用を有する新しい世代のbisphosphonate製剤である。我々はincadronateにTc-99mをラベルし、骨シンチ製剤としての有用性を検討した。【方法】ラットにTc-99m-incadronate18.5MBq静注後、時間ごとに屠殺し、各臓器の組織濃度を組織1g当たりの投与量に対する集積率(%ID/g)で算出した。【成績】各臓器のなかで骨において最も高い集積率を認めた。また、骨/血液比および骨/筋肉比は時間経過とともに上昇し、投与2時間後にピークに達した。【結論】本剤を用いたラットの骨シンチグラフィでは画像上も骨が良好に描出されており、臨床的に有用と考えられた。
- 57
転移性骨腫瘍による疼痛の緩和剤の研究―<SUP>177</SUP>Lu-EDTMPと<SUP>89</SUP>Sr-chlorideの比較―
- 安東 醇
- <SUP>89</SUP>Sr-chlorideと<SUP>177</SUP>Lu-EDTMPの比較及び<SUP>177</SUP>Lu-EDTMPの骨髄毒性の検討を行った。<SUP>177</SUP>Lu-EDTMPと<SUP>89</SUP>Sr-chlorideを動物で臓器組織取込率を比較し、さらに骨内部での分布状態をオートラジオグラムで調べた。動物実験をもとにMIRD法による被曝線量も計算した。<SUP>177</SUP>Lu-EDTMPをマウスに投与して投与量とその後の血球数の変化を調べた。 <SUP>177</SUP>Lu-EDTMPの骨集積は<SUP>89</SUP>Sr-chlorideのそれよりやや少なく、血中残存は<SUP>89</SUP>Sr-chlorideがやや多かった。骨内部の集積状態では両者はよく類似していた。骨髄毒性に関してはマウス1匹あたり<SUP>177</SUP>Lu-EDTMPの15MBq
投与では致死的な急性障害は生じなかった。 <SUP>177</SUP>Lu-EDTMPの37MBq投与で全身、骨、骨髄の被曝線量はそれぞれ3.6mGy、23.4mGy、24.9mGyであり、<SUP>89</SUP>Sr-chlorideを同量投与した場合よりはるかに少なかった。
- 58
前立腺癌における骨代謝マーカー、腫瘍マーカーの比較
- 福光 延吉
- 【目的】前立腺癌患者の骨転移の診断における骨代謝マーカー、腫瘍マーカーを比較した。【対象】前立腺癌患者69例で、年齢は50-92歳である。【方法】骨シンチグラフィをもとに、骨転移(+)群と、骨転移(-)群に分類し、尿中NTx/Cr、血中PICP、PSAを比較した。【結果】尿中NTx/Crは骨転移(+)群で52.5±25.3nM
BCE/mM Cr、骨転移(-)群で70.9±43.9 nM BCE/mM
Crであった。血中PICPは骨転移(+)群で156.3±83.2ng/ml、骨転移(-)群で139.5±46.7
ng/mlであった。血中PSAは骨転移(+)群で139.7±537.7ng/ml、骨転移(-)群で139.5±46.7
ng/mlであった。尿中NTx/Crは骨転移(+)群で骨転移(-)群に対し、有意に高値を認めた。【考察】NTx/Crは骨転移の診断能でPICP、PSAに対して同等以上の指標であった。
- 59 PSA値 10
ng/ml以下の初診前立腺癌患者は骨シンチを省けるか?
- 小須田 茂
- PSA値 10
ng/ml以下の初診前立腺癌患者において骨シンチを省くことにより医療経済効果が期待できるかどうかを検討した。昨年報告したワーキンググループの初診前立腺癌患者1,294例のPSA値のデータをTandem-R
PSA
キットに換算して再検討した。得られたデータに基づき、判断樹を用いて治療費を含めた費用効果分析を行った。割引率5%として計算した。その結果、PSA値
10
ng/ml以下の骨シンチ陽性率は1.33%(4/300)、陽性を示した4例は全例、低分化腺癌であった。PSA値
10
ng/ml以下骨シンチ省略群と全例骨シンチ施行群の10年生存率は同等と推測され、省略群の医療費削減額はわずか約2,700円/年/患者と算出された。初診前立腺癌患者における骨シンチはbaselineとして臨床上重要であり、PSA値
10
ng/ml以下の症例の骨シンチ省略は望ましくないと思われた。
- 60
慢性腎不全血液透析(HD)患者における骨シンチグラフィと骨代謝マーカーとの比較
- 倉田 精二
- 対象は、HD患者23例(男性11例、女性12例)年齢22〜67歳(平均44歳)である。HD患者に99mTc-HMDP
555MBqを静注し、約3時間後に全身を撮像した。頭蓋骨、腰椎、左大腿骨頸部、左大腿内側軟部に関心領域(ROIs)を設定し、骨軟部RI摂取比を算出した。透析前に採血を行い骨代謝マーカー(骨型アルカリフォスファターゼ、血中デオキシピリジノリン)を測定した。頭蓋骨の骨軟部RI摂取比は、骨型アルカリフォスファターゼで相関係数0.658、デオキシピリジノリンで0.537と正の相関を示した。骨シンチグラフィの骨軟部RI摂取比は、骨代謝の評価に有用と考えられた。
- 61 Gated
SPECTの時間補正について(臨床での応用)
- 大竹 英則
- 第40回核医学総会において、心電図同期心筋SPECT(G-SPECT)を施行し、血流変化を解析する場合の補正(G-Correct)について基礎的検討を報告した。今回、さらに臨床での検討を加え、補正プログラムを改良した。G-SPECTの収集には、プロジェクションごとに収集時間の異なってしまうような収集プロトコールを使用すると、収集時間は短縮されるが、加算されたSPECTデータの定量性が低下する。そこで、前回構築した補正プログラムを一部改良し臨床で応用した結果、G-SPECT加算画像のプロジェクションごとのばらつきを補正できたので報告する。
- 62
心筋SPECTより求めた心筋容積についての検討
- 岩瀬 幹生
- (目的)心筋SPECTの定量的解析法として、QGS法が一般に用いられているが、得られた心室容積の精度に関する検討は十分行われていない。異形心筋ファントムを用いたRI画像より、心室容積の精度を検討した。(方法)GE社製Optima
NXを用い、画像再構成はFBPとOSEMを用いた。異形心筋ファントムは形状と容量の異なる8種類を用い、容積の精度を検討した。なおQGS法との比較にThreshold法にても心室容積を求めた。(結果)相関係数は何れの方法においても良好であった。真値との誤差率はQGS法が最も大きく、Threshold法にてはFBPよりもOSEMの方が誤差率が低かった。容量の小さな場合はその傾向が顕著であった。(まとめ)QGS法はオペレータの能力に関わらず心室容積を求めることができるが、特定の心筋形態から外れた場合には正確な容積を求められなかった。
- 63
散乱線補正(楕円近似法)による2核種(Tl-201、I-123)同時収集の基礎的検討
- 小野寺 敦
- Tl-201とI-123
BMIPPの同時収集は、血流代謝ミスマッチ検出が可能となり、責任病変・重症度診断へ有用な方法である。しかしI-123の159keVとTl-201の167
keVエネルギーが近接しているため、散乱の影響だけでなく、光電ピークの選択ウインドウの影響が無視できず、TEW法でも10%程度の誤差を考慮すると報告されている。当院でもRC-2600I(日立)を用いて、散乱成分を1/4楕円の面積とみなし補正する楕円近似法(ramp、乗算定数2)により、散乱体5cmコリメータLEHRの場合でTl-201(71
keV)に対し72.9%、I-123(159keV)に対する影響が37.74%除去できたが、Tl-201(71
keV)に対する影響は、散乱体を増加させるとその効果が下がり、I-123(159keV)に対する影響は、やはり8%程度のクロストークが認められた。そこで今回は、より有用なクロストーク軽減のための楕円近似法を利用した2核種(Tl-201、I-123)同時収集について基礎的検討を行った。
- 64
心筋SPECTの3Dフラクタル解析−ファントムによる基礎的検討−
- 菊池 隆徳
- 【目的】3Dフラクタル解析はトレーサー分布の不均一性の指標として有用性が示唆されている。今回我々はファントムを用いて心筋SPECTに応用可能か検討した。【方法】ファントムは欠損の有無および、心筋症を想定して心筋内にガラスビーズを充填したものの3種類を作成、TEWの有無とフィルターのパラメータを変えた複数の条件で再構成を行い、解析にはDr.Viewを用いた。【結果】欠損のないモデルのフラクタル次元はフィルターのパラメーターやTEWの有無にあまり影響を受けなかった。欠損モデルではフィルターを強くかけるとフラクタル次元は小さくなるが、TEWの有無は影響しなかった。ビーズモデルでは閾値の設定によりフラクタル次元が大きく変化した。【結論】本法は心筋SPECTにも応用可能と思われるが、閾値の設定でフラクタル次元が変動する可能性があり、臨床応用には更なる検討が必要と考えられた。
- 65 肥大型心筋症に対するTc-99m TF
SPECT及びMRIの統合画像の試み
- 呉 勁
- 肥大型心筋症における心筋血流SPECT検査においては、肥大部位に相対的な高集積を呈し、RI画像のみで心筋血流状態の正確な評価は困難なことがある。我々は心筋の形態学的情報を提供するMRIと心筋血流状態を反映できるTc-99m
TF
SPECTを重ね合せた統合3D画像の再構成ソフトを開発し、視覚的評価と共に心筋壁厚と血流の半定量的評価を試みた。MRI左室短軸像はTc-99m
TF
SPECTと同様にスライス厚6.62mmで撮影された。それぞれの3D画像を用い心臓内、外壁及び肝臓に基き短軸や長軸の各断面から位置合せを行い、形態機能統合図を再構成した。更に心筋壁厚及び血流Bull’s
Eyeを作成し半定量分析を行った。肥大型心筋症例では肥大部の高集積が認められ、また一部の症例には壁厚正常である部位への相対的な血流低下が検出できた。本ソフトの臨床への有用性が期待できると考えられた。
- 66
心筋動態ファントムを用いての心電図同期SPECTからの左室機能精度とフィルタ遮断周波数の検討
- 久保 直樹
- 心筋動態ファントム(北海道大学で開発)を使用し心電図同期SPECTでQGSからの左心室機能の精度および再現性とバターワースフィルタの遮断周波数との関係について検討した.SPECT収集は同一条件で5回行った.フィルタ処理は遮断周波数0.17cycles/cmからフィルタ無しまで変化させた.測定された左心室容積は過小評価されたが遮断周波数を高くすることで真の容積に近づいた.また遮断周波数を高くすると容積は検査ごとでばらついた(2
mL程度).駆出率は数%程度の過小評価であった.ばらつき程度は少なかった(1%程度).Wall
motion(WM)とWall
thickening(WT)は,どの遮断周波数においても過小評価された.これらのばらつき程度は遮断周波数に依存しなかった.駆出率,WMおよびWTに関しては,どの遮断周波数でも同程度に測定できた.
- 67
モバイル型ガンマカメラの心電図同期心筋SPECTから求まる左心室機能の心筋動態ファントムを用いた検証
- 久保 直樹
- モバイル型ガンマカメラはアンガー型カメラのような位置演算回路を使用していないため,固有空間分解能が非常に高い.この装置に回転椅子機構を組み合わせることで心電図同期SPECTが施行できる.そして専用の処理ソフトウェアにより左心室機能が測定可能である.この測定方法について心筋動態ファントム(拡張期容積[EDV]143
mL,収縮期容積[ESV]107
mL,駆出率[EF]25%)を使用することで評価した.収集条件は180度収集,R-R8分割であった.測定結果はEDV
119 mL,ESV 91 mL,EF
24%であった.このように容積は過小評価されたがEFは近い値となった.一方アンガー型カメラにQGSを使用して求めた値は,EDV
101 mL,ESV 81 mL,EF
19%であったのでモバイル型カメラから求まる心機能は従来の方法と同程度に有効であるといえた.
- 68
心筋動態ファントムを用いた壁運動(収縮)評価能の比較:心電図同期SPECT
vs. マルチスライスCT
- 望月 輝一
- 【目的】心電図同期SPECTもマルチスライスCTも2D/3Dで壁運動(壁収縮)の評価が可能である。ファントムを用いて壁運動(収縮)評価能の比較を行った。【方法】心筋動態ファントムHD型にTc-99m水溶液をいれ、データ収集を行った。
SPECTは(1)64<SUP>2</SUP>マトリックス、RR8分割、と(2)
128<SUP>2</SUP>、RR12分割の2つの条件でデータ収集を行った。CTは(1)
2.5mm厚、時間分解能0.5秒、と(2)1.25mm時間分解能0.25秒でデータ収集を行った。HRは全て60bpm。SPECTもCTも2D&3D静止画像と動画像にて画質の比較を行った。【成績】心電図同期SPECTは時間分解能に優れ、歪みのない均一な静止・動画像が得られた。CTはファントム外壁に付着した小さなアワ粒を解像していたが、心内腔部分に若干の歪みを生じた。【結論】時間分解能ではSPECTが優れ、空間分解能ではCTが優れていた。
- 69
スモールハートにおけるQGSの定量性は撮像法の工夫で改善するか?
- 丸野 広大
- 左室容積が小さい場合、QGSを用いて解析するとEDV,
ESVを過小評価し、LVEFを過大評価することが知られている。Gated
SPECTのデータ収集法を変えることにより、これらの定量値が改善するかを、自作の小心臓ファントムおよび臨床データを用いて検討した。小心臓ファントムを用いた検討においては、QGSで算出される左室容積の値はコリメータを高分解能に、回転軌道を小さく、ピクセルサイズを小さくするにしたがい、真値に近づいた。次に、透析患者を対象に拡大率1.45倍(ピクセルサイズ6.62mm)で撮像し、QGSで求めたESVが20以下の場合には拡大率1.78倍(同5.39mm)または2.00倍(同4.80mm)で追加撮像した。QGSのEDV,
ESVは全例で拡大率を上げると大きくなった。LVEFは1.45倍収集のESVが12以上の場合は1.78倍収集で改善したが、それより小さい場合は改善せず、2.00倍収集でやや改善した。
- 70
QGS輪郭抽出アルゴリズムを応用した心筋重量算出の基礎的検討−心筋長軸断層像による輪郭抽出−
- 西村 圭弘
- 左室心筋重量を算出するソフトウェア(第40回日本核医学会総会にて発表)MEDcal
(Myocardial Edge Detection and
Calculation)は、QGSのアルゴリズムを応用して心筋短軸像より輪郭抽出を行う。今回、我々はMEDcalの信頼性を高めるために、心筋長軸像より輪郭抽出を行うアルゴリズムを開発した。方法は、非対称ファントムおよびHCM症例を対象に心電図同期SPECTを行い、MEDcalプログラムにより拡張末期像と収縮末期像の心筋重量を算出した。その結果、本法は心尖部および弁口部が正しく認識され、QGSではトレース困難であった心筋の部分的肥厚に対しても正確に輪郭を抽出していた。以上より、心筋壁厚に応じたトレースが可能となり、心筋重量が精度良く算出できることが示唆された。
- 71 健常人におけるGated FDG/Tc-perfusion
SPECTを用いた左室機能の検討
- 金山 寿賀子
- 【目的】Gated
FDG SPECTから求めた左室容積および駆出率をMRIを標準としてTc-perfusion
SPECTと比較する。【対象と方法】男性ボランティア9例、平均年齢38歳を対象とした。超高速エネルギー用コリメーター装着したSPECTでGated
FDG/Tc dual SPECTを撮像し、cine MRIも撮像した。Gated
SPECTはQGSを、MRIはMASSを用いて左室のEDV、ESV、EFを算出した。【結果】FDG SPETのEDV,
ESVはTcに比し有意に小であったが、EFは有意差を認めなかった(EDV
87 vs 105 ml, P<0.005, ESV 37 vs 46ml, P<0.005, EF 58 vs
56%)。MRIのEDV, ESV, EFは110ml,39ml, 65%で、 FDG
SPECTに比してEDV, ESVは有意に大であった。EDV, ESV,
EFの各方法間において、いずれも良好な正相関を認めた。【総括】正常例においてGated
FDG
SPECTは施行可能であるが、Tcと比較して容積を過小評価する傾向にあった。
- 72
<SUP>99m</SUP>Tc-tetrofosmin によるdynamic
SPECT-Rutland解析による虚血性心疾患への応用-
- 早川 公章
- 【目的】<SUP>99m</SUP>Tc-tetrofosmin
(TF)
dynamic心筋SPECTをRutland解析し、運動負荷なしに虚血心筋の評価が可能か検討した。【方法】虚血性心疾患の疑われた患者23例にTF安静時dynamic
SPECTを施行し、Rutland解析の集積定数K値及び直線性持続時間を比較した。【結果】K値は正常(NL)=0.081±0.021で、再分布(RD)域、集積低下(DE)域では有意の低下をみた。直線性持続時間はNL=167.4±46.2秒であったが、RD域、DE域では有意の延長を認めた。【考察】本法により運動負荷なしに虚血心筋の鑑別が行える可能性が示された。
- 73
3次元画像化した2方向デジタル冠動脈造影と心筋シンチグラフィの融合
- 小林 秀樹
- 2方向デジタル冠動脈造影からの冠動脈の3次元構築(3D)法が報告されている.【目的】3D化した冠動脈影と心筋シンチの融合する.【方法】虚血性心疾患が疑われた20例に、Tc-99m心筋血流製剤を用いた運動負荷心筋シンチ(MPI)とデジタル冠動脈造影(直行の同時2方向造影)を施行。デジタル像は、DICOM
formatに保存して拡張末期像から3Dイメージソフトで
冠動脈の3D構築を作成した.MPIデータは、QGS,QPSシステムで3D表示してRAO30度とLAO60度像をcoronary
treeと融合した.【結果】3D化した冠動脈像の作成は、データ読み込み構築に計15分を要した。MPIの虚血・梗塞領域は、3D化した冠動脈像とよく一致した.右冠動脈領域と回旋枝領域の区別に有効な例があった。CABG治療のバイパス吻合部位決定に有用な情報と考えられた.【結論】3D化した冠動脈像とMPIの融合は、治療方針の決定時に有用な情報を提供すると考えられた.
- 74 Postinjecction transmission
scanによる心筋欠損サイズの定量性の評価
- 米山 達也
- 従来の18F-FDG
PET心筋検査(前投与法)では検査が長時間となる問題点がある。そこで、18F-FDGの投与後にtransmission
scanを行う方法(後投与法)による心筋欠損の定量性についてファントムを用いて検討した。心筋欠損モデルを12個作成し、ファントムから計測した真の心筋欠損部容積との相関を検討した。また、放射性薬剤の濃度が変化した場合において欠損測定値の定量性が保たれるかを評価した。前投与法および後投与法による欠損測定値は真の欠損容積と極めて良好な正の相関を示し、放射性薬剤の濃度を変化させた場合でも後投与法による欠損測定値は前投与法と同等の定量性が保たれていた。したがって、本研究で採用した後投与法の心筋画像には前投与法と同様の定量性が保たれると結論された。
- 75
二次元収集および三次元収集PETの心筋欠損部容積における定量性の比較
- 米山 達也
- 二次元収集に加えて三次元収集PETが施行可能となってきたが定量性については検討不十分である。そこで、心筋欠損の定量性についてファントムを用いて検討した。ファントムに18Fを注入し、心筋欠損モデルを12個作成した。二次元収集および三次元収集PETの心筋欠損部容積とファントムから計測した真の心筋欠損部容積との相関、さらに放射性薬剤の濃度が変化した場合においてもその定量性が保たれるかを評価した。左室欠損の測定値と真の欠損容積との誤差で大きな違いが認められたのは、左室心筋の放射性薬剤が低濃度(25,
50
kBq/ml)で2次元収集を用い短時間収集(10秒収集)を行った場合であった。したがって、放射性薬剤が低濃度であり短時間収集であっても、3次元収集を行えば心筋PET画像の定量性は保たれることが判った。
- 76 RECOVERY COEFFICIENT FOR CARDIAC F-18
AND Rb-82 PET IMAGING
- Karin Knesaurek
- We set out to determin the activity
recovery coefficients (RC) for quantification of cardiac F-18
and Rb-82 PET images Due to partial volume effects, activity
concentrations for small objects and thin layers are
underestimated in PET imaging. In order to find the RC, a wedge
phantom 29 cm L X 3 cm thick at the base tapered to 0 cm , was
filled with 318.2 kBq/cc of F-18, and 125.8 kBq/cc of Rb-82,
respectively. A GE Advance PET system was used. The RC for
layer thickness less than 1.8 cm was calculated by equations
RC=0.062*thickness (mm)-0.11 for Rb-82 and RC =0.053* thickness
(mm)-0.04 for F-18. Conclusion: for layers less than 2 cm, RC
has to be measured and used to obtain correct activity
concentrations.
- 77 Tc-99m MIBI
SPECTによる肺癌のP-gp、MRPおよびLRP発現の評価
- 小玉 裕子
- Tc-99m MIBI
SPECTによる肺癌のP-gp、MRPおよびLRP発現の評価の可能性について検討した。対象は術前にTc-99m
SPECTを施行した肺癌患者34例である。方法はTc-99m MIBI
静注後15分および3時間後にSPECTを撮像し、early
uptake(L/Ne)、delayed uptake(L/Nd)、washout
rateを算出した。全例手術が施行され、摘出病理組織を用いて肺癌のP-gp、MRPおよびLRPの発現の程度を免疫組織化学染色法を用いて測定した。その結果、P-gpの発現が高い肺癌ではdelayed
uptakeが低く、washout
rateが高い傾向があったが、MRP、LRPではそのような傾向は見られなかった。このことより、Tc-99m
MIBI
SPECTを用いて肺癌のP-gpの発現の程度を評価できる可能性が示唆された。しかし、MRPおよびLRPの発現とMIBI集積との間には明確な関連は認められなかった。
- 78 Tc-99m
MIBIシンチマンモグラフィによる乳癌の多剤耐性の検討
- 山本 由佳
- 【目的】乳癌のTc-99m
MIBIの取り込みと多剤耐性に関係しているmultidrug resistance
(MDR) 及びmultidrug resistance-associated protein (MRP)
の発現の有無を検討した。【方法】術前の乳癌患者10例である。Tc-99m
MIBIシンチマンモグラフィは静注10分後の早期像と、2時間後の後期像を撮像し、Tc-99m
MIBIの乳癌への取り込みの有無を視覚的に評価した。MDR及びMRP発現の有無は手術で切除された腫瘍組織からtotal
RNAを抽出し、RT-PCR法で確認した。【結果】0例のうち2例でTc-99m
MIBIシンチマンモグラフィで偽陰性を示したが、その中の1例はMDR及びMRP共に発現していた。Tc-99m
MIBIシンチマンモグラフィで陽性を示した8例は、MDRは全例発現していなかった。一方、MRPは8例のうち3例に発現していた。【結論】Tc-99m
MIBIの取り込みは、MRPよりもMDRと関連があることが示唆された。
- 79
抗癌剤多剤耐性細胞におけるTc-99m-Sestamibi, Tc-99m-Tetrofosmin,
Doxorubicinの細胞内集積動態について
- 宇都宮 啓太
- 乳癌細胞 (MCF7/BC-19)
を対象とし、Tc-99m-Sestamibi (MIBI), Tc-99m-Tetrofosmin(Tfos),
Doxorubicin の細胞内集積動態について P-glycoprotein (PGP),
multidrug resistance protein (MRP) の inhibitor である GG918,
PSC833, Cyclosporin A (CsA) と buthioninesulfoximine (BSO)
用いて検討した。結果、MCF7/BC-19 は RT-PCR 法で PGP
の強発現、MRP1 と MRP2の弱発現が確認された。GG918, PSC833, CsA
は有意に MIBI, Tfos, Doxorubicin の細胞内集積を上昇させ、GG918,
CsA はさらに Efflux も低下させた。BSO
は単独では影響を与えなかったが、これらの inhibitor
との間に相加・相乗作用が認められた。つまり、MIBI,Tfos は PGP
のみならず MRP の基質でもあり、Doxorubicin
の動態をよく反映していた。
- 80
Tc-99m-tetrofsminを用いた腫瘍シンチグラフィ ーPgpやPCNAの発現との関連ー
- 植木 潤子
- 【目的】Tc-99m-tetrofosminを用いた腫瘍シンチグラフィの所見と検体のPgpやPCNAの発現を比較し、関連性を検討した。【対象と方法】検体採取予定の肺癌、乳癌、悪性リンパ腫の12名を対象とした。方法1.Tc-99m-tetrofosminを静脈内投与し、直後にダイナミック像と早期像を撮像、投与2時間後に後期像を撮像した。Early
uptake ratio(EUR)、delayed uptake ratio(DUR)、retention
index(RI)、washout
rate(WR)を算出した。2.摘出標本をPgp、PCNAで免疫染色し、陽性率、細胞密度を測定した。3.
1と2を比較し、関連性を検討した。【結果】全例早期像でTc-99m-tetrofosminの腫瘍への良好な集積が確認された。EURとPCNAの陽性率には正の相関が認められた。EUR、DUR、RI、WRとPgpには相関がみられなかった。【結論】Tc-99m-tetrofosminを用いたシンチの所見とPgpには相関がなかった。EURとPCNAの発現には相関を認めた。
- 81 ASSESSMENT OF ANTI-P-GLYCOPROTEIN
MONOCLONAL ANTIBODY AS MDR-MODIFIER BY USING Tc-99m-MIBI
- Zhijie Li
- The purpose of this study is to
assess how anti-P-glycoprotein monoclonal antibody
(anti-P-gp-MoAb) affects the function of P-gp from the
Tc-99m-MIBI (MIBI) uptake in MDR-tumor cells and xenografts.
The drug-sensitive tumor cell, KB-31, or MDR-tumor cell, KB-G2,
was incubated with MIBI. The accumula-tion of MIBI in KB-31 was
1.6-fold higher than that in KB-G2. Anti-P-gp-MoAb (10オg/ml)
recovered MIBI uptake in KB-G2. Athymic mice xenografted with
KB-31 or KB-G2 were injected with MIBI, and Tc-99m was
localized in KB-G2 (0.42%ID/g), which was smaller than in KB-31
(0.77%ID/g). Injection of anti-P-gp-MoAb (10オg) enhanced MIBI
uptake in the KB-G2 with 1.2-fold without any effects in normal
tissues. In conclusion, the uptake of MIBI in the cells or
xenografts showed that anti-P-gp-MoAb was the MDR-modifier with
a promise.
- 82 EFFECT OF CA++ CHANNEL
MODULATORS IN THE UPTAKE OF TC-99M-MIBI AND
TC-99M-TETROFOSMIN
- Ali S. Arbab
- Various buffers with or without Na+
and/or Ca++, and Ca++ channel modulators were used to determine
the involvement of Ca++/Na+ exchange pathway in the influx or
efflux of Tc-99m-MIBI and Tc-99m-tetrofosmin in two tumor cell
lines.Both Tc-99m-MIBI and Tc-99m-tetrofosmin showed
involvement of Ca++ and Na+ ions in their uptake mechanisms.
All Ca++ channel modulators increased cell associated activity
Tc-99-MIBI in both cell lines. However, effects of the channel
modulators on Tc-99m-tetrofosmin were different in different
buffers. Behavior of Tc-99m-MIBI and Tc-99m-tetrofosmin is
different during influx and efflux in tumor cell lines.
Tc-99-MIBI showed strong dependence on both Na+ or/and Ca++
ions, and Ca++/Na+ channels. Uptake of Tc-99m-tetrofosmin
showed dependence on Ca++ but effect of Na+ was not
marked.
- 83
ガンマウェルカウンタDCM200を用いた直接法によるGFR測定-従来法との比較
- 塚本 江利子
- 従来の採血法によるGFR測定では高濃度のコントロールを希釈して測定する必要があった。そこで、高濃度と低濃度のサンプルを同じ装置で測定できるプラスチックシンチレータを用いたガンマメータウェルDCM200(DCM)を用いて静注前後のシリンジと血液サンプルを測定し(直接法)、Tc-99m
DTPAを用いて1点採血法(Christensen-Groth法)によるGFRを求めた。これを50検査において従来のNaIシンチレータを用いたウェルカウンタで希釈コントロールを測定する方法(希釈法)と比較した。両者で計算されたGFRは相関係数0.998、RMSE1.746で相関し、相関式は(直接法によるGFR)=-0.43+1.008x(希釈法によるGFR)となり、よい相関と一致をみた。DCMを用いた直接法によるGFRの測定はコントロールを希釈する必要がなく簡便で、従来法とほぼ一致した値を得られる方法である。
- 84
Tc-99m-DTPAを用いたGFR計測法:DCM-200を用いた採血法vsカメラ法(Gates法)
- 伊藤 和夫
- 新しく開発された2井戸型シンチレーションカウンター(DCM-200)により,簡便性で高精度なGFR計測が可能である.GFR計測精度に関して,従来より施行されているガンマカメラ法と比較検討した.対象例は133例(24〜84才)で,採血法はDCM-200(アロカ)を用いた非希釈法で投与量,血漿濃度を算出し,Christensen&Groth法180分1点採血,あるいは120,240分の2点採血法よりGFRを算出した.カメラ法はE.CAM装置を使用し,Gates法にてGFRを算出した.採血法とGates法は
Y=15.01+0.965X (n=133,r=0.797)
の有意な相関が示された.しかし,誤差(RMSE)は21.07 ml/mim
であった.ガンマカメラ法による腎機能評価は分腎機能としては優れているが,総腎機能(GFR)評価には採血法の併用が好ましい.
- 85
Tc-99m-DTPAを用いた新しい小児用1点採血GFR算出式に関する検討
- 伊藤 和夫
- 7点採血の2コンパートメント法で算出された血漿クレアランス(GFR)を基準に,採血時の血漿濃度,見かけ上の分布容積(Vt)との関係に関して検討した.症例は14症例(平均年齢10才)で,全投与量,血漿濃度は新しく開発された2井戸型シンチレーションカウンター(DCM-200,アロカ)を用いた.採血時間60分以降のVtとGFRとは良好な直線関係が示され,新しい算出式としてY=A+BVt
(A=A 67.8838 - 1.61674t + 0.0090133t^2 ,B = 2.8576 + 0.0505117t
- 0.000453t^2(
t=採血時間,60~120分)が得られた.なお,RussellらがMAG3で採用した算出式を参考に,GFR計測に関する成人と小児に共通する算出式に関しても検討したが,成人と小児では明らかな違いが観察された.新しい算出式は今後臨床で使用できる可能性があるが,その測定精度に関しては今後の検討が必要である.
- 86
小児におけるTc-99m-DTPAを用いた2および1コンパートメント法と1点採血法によるGFR算出法の関係
- 松山 健
- 小児14例(平均年齢10才)を対象に,1点採血法による糸球体体濾過率'(GFR)算出の精度に関して検討した.既報されている1点採血式6法(小児専用式3,成人用3)によるGFRと7点採血の血漿濃度から算出した血漿クリアランス(2コンパートメント法)および2〜3点採血で算出した血漿クリアランス(1コンパートメント法)と比較した.その結果,1点採血法はいずれも相関係数0.97以上の値を示したが,Jacobsson式(RMSE
=
7.8)で最も高い精度が観察された.一方,HAM小児専用式は1コンパートメント法との比較では最も高い相関係数と精度が得られた(r=0.995,
RMSE=4.7).1点採血法の精度は基準とした方法に依存し,Tc-99m-DTPAを用いた小児1点採血GFR算出式としてはJacobsson成人式がHam小児式よりも好ましい.
- 87 Optimization of renal counting method
for estimating
<SUP>99m</SUP>Tc-MAG<SUB>3</SUB>
clearance
- 趙 春雷
- To improve the accuracy in
calculating MAG<SUB>3</SUB> clearance (Cl) by renal
counting method, data from 232 patients were analyzed.
Determination of renal border (RB), background (BK), time
interval (TI) for integrating counts and renal depth (RD) were
optimized. According to method for determining RD, three
regression formulas were devised (RD determined by scatter
fraction [SF], TΦnnesen’s formula [T] and
linear combination of SF and T). Using these 3 formulas, RB,
BK, TI and RD were optimized by fitting to the single sample Cl
by Bubeck’s algorithm. Fifty % cutoff for RB determination,
circular BK, total counts for 2-3 min and the RD determined by
combination of SF and T were the best conditions (r=0.899,
p<0.01) for clinical use.
- 88 Tc-99m MAG3 1点採血によるI-131 OIH
クリアランスの推定
- 秀毛 範至
- OIHクリアランスをMAG3の1回採血データから推定する換算式を67例を対象にRussellの方法に準じて求めた。Tc-99m
MAG3, I-131
OIH同時投与後、2分から44分まで8点採血を行い、時間血漿濃度データを2指数関数にあてはめて、それぞれのクリアランスを求め、30分の血漿中濃度からクリアランスを推定するためのRussellの多項式(Cl•t/W=A+Bx+Cx<SUP>2</SUP>+Dx<SUP>3</SUP>)の係数を求めた。多項式近似の結果、A=0.331,
B=-0.201,C=0.0271,
D=0.00389の結果が得られ(r=0.913)、この式を用いたときのクリアランスの推定誤差は59ml/min/1.73m<SUP>2</SUP>であった。
- 89 1点および2点採血法によるMAG3
clearanceの比較
- 石川 幸雄
- Tc-99m
MAG3静注後、2-44分に8点採血を施行した79例の患者を対象に、採血法によるMAG3
clearance推定精度を1点ならびに2点採血法間で比較した。1点採血法としてRussell(’96)の方法を採用した。採血データを2指数関数にあてはた時間血漿濃度曲線(2-120分)から、2点法における最適な採血時間(4,
44分)を決定し、2点法によるclearanceを計算した。1点(44分)ならびに2点法によるclearanceと2コンパートメントモデル解析による標準clearanceとの相関係数(r2)はそれぞれ、0.957
(SE=20.0 ml/min/1.73m2), 0.989 (SE=9.9
ml/100g/min)であり、2点採血法は、より高い精度でMAG3
clearanceの推定が可能であった。
- 90 Tc-99m MDPによる腎機能の評価
- 高山 輝彦
- 泌尿器系の悪性腫瘍患者20人を対象に,骨製剤であるTc-99m
MDPによる腎機能(GFR)評価の可能性について検討した。Tc-99m MDP
200MBqを用いてTc-99m
DTPAと同じ条件で撮像し,終了後に540MBqを投与して骨スキャンを施行した。イメージを比較してSOLの描出能,水腎症の検出も比較した。骨転移を除く17例について両トレーサによるGFRは相関係数r=0.963で良く相関し,式Y=1.009X−0.111が得られた。泌尿器系の悪性腫瘍患者では骨転移の検索と腎機能の評価が必須であるが,
Tc-99m
MDPを用いて両者の評価が可能であることが示唆された。
- 91
利尿レノグラムのボリューム・ビジュアリゼーションによる先天性水腎症病態の把握
- 上野 滋
- 【目的】先天性水腎症が自然緩解するか否かの予後判定、病態把握のため、利尿レノグラム・データ(DR)のボリューム・ビジュアリゼーション(VV)により新たな視点から検討する。【方法】腎盂尿管移行部狭窄(UPJO)、尿管膀胱移行部狭窄、膀胱尿管逆流などのべ311腎の小児DRにAVSプログラム(Kubota)あるいは独自に開発したプログラムでVVを行い,尿流を動画、鳥瞰図、三次元画像で捕らえ検討した。【結果】さまざまな、先天性水腎症の尿流が視覚的に捉えられ,特に利尿剤投与前後のRI集積像の変化によりUPJOを定性的に5つに分類できた。【考察】DRのVVにより尿流を分析し、新たな視点で病態を把握できる可能性がある。
- 92 演題取り下げ 9/12
- 93
糖尿病におけるacetazolamide(ACZ)Tc-99m MAG3による腎機能評価
- 堀田 義雄
- 【目的】ACZ負荷により腎血管病変を評価できるか【方法】正常(NR)10例,本態性高血圧(EH)10例,糖尿病(DM)10例でBaseline施行後、引き続きACZ1g静注10分後に負荷renography施行し,Tmax,ERPFを算出しACZ変化率を求めた。【成績】群
年齢 %Tmax %ERPF NR 63±6 -28.0±1.8 29.8±1.3
EH 63±7 -31.5±2.9 27.1±3.3 DM 62±12
-16.5±2.3* 6.1±4.3* (*p<0.01 vs
NR,EH)【結論】ACZ負荷検査はDMの腎障害を評価できる。
- 94 【取り下げ】
- 95 METHODOLOGY TO EVALUATE THE
FILTERATION PERFORMANCE OF A DIALYSIS FILTER BY USING O-15
LEBELED WATER
- HM Deloar
- A method to evaluate the performances
of the filters for artificial kidney dialysis has been proposed
in this study. The filter has two lines for water and blood
circulation. Flow rates through the lines were controlled
externally. A bolus of radioactive O-15 labeled water was
administered into the water line and time-activity curves (TAC)
in both the water and blood lines were measured by a
b-detector. The parameters of flow rates and distribution
volume of the filter were estimated from TACs by using
convolution equation and single compartment model. As the
radioactive O-15 labeled water has very short half life,
repeated study is possible to evaluate the performances of the
filters using this procedure.
- 96
急性心筋梗塞再灌流時におけるnicorandil投与の有用性
- 関 亮太郎
- 【目的】急性心筋梗塞再灌流療法時、nicorandil(NCR)の心筋保護作用を検討。【方法】急性心筋梗塞30例を再灌流時nitroglycerin(NTG)とNCR投与した13例とNTGのみの17症例に分けた。急性期Tc-TF、
I-BMIPP、Tc-PYP心筋SPECTを、慢性期後2者を施行しdefect
scoreを算出。同一区域内のBMとTFのDSに差があるものをミスマッチ有り。QGSでEDV、局所壁運動(WMS)を評価。亜急性期と慢性期のWMSの差はd-WMS。【結果】1)亜急性期、慢性期のLVEF、EDVには有意差なし。2)ミスマッチ無い域で両群とも亜急性期に比し慢性期でWMSに有意な改善なし。3)ミスマッチ域で両群で亜急性期に比し慢性期でWMSが有意に改善(p<0.001)。d-WMSはNCR群で有意に高値(p<0.001)。【総括】急性心筋梗塞再灌流療法時のNCR投与は壁運動をより改善し、心筋保護作用を有する。
- 97
STENT導入による心筋血流シンチグラフィ使用法の変化(急性心筋梗塞症例での検討)
- 福島 賢慈
- 急性心筋梗塞に対しSTENT治療が多く導入されるようになった.それにより亜急性期AMIに対する心筋シンチ施行例に変化が見られた.当院入院症例において1994年と2000年での心筋血流シンチ施行570例を施行目的別に分類しAMI亜急性期で比較すると1994年に比し2000年で明らかにシンチ施行例が60%減少していた.
- 98 心筋梗塞後の18F-FDG
PETイメージングにおける炎症の影響
- 奥村 渉
- 前回、心筋梗塞後早期では、梗塞壊死部の炎症細胞にFDGが集積することを実験的心筋梗塞ラットを用いて検討、報告した。今回、炎症細胞浸潤が消退した慢性期の梗塞部にFDGが集積するか検討した。ラットの左冠動脈を結紮、再灌流し心筋梗塞を作成。1ヶ月後に絶食下でFDG
74MBqを静注し、1時間後に摘出した心臓の横切切片にてmacro-ARGとmicro-ARGを作製。心筋切片にはさらに抗ミオグロビン抗体を用いた免疫組織染色を施し、検鏡した。1ヶ月後のラット梗塞心では、線維化した梗塞壊死部に炎症細胞浸潤は認めず、FDGの集積も認めなかったが、梗塞周辺部の心筋細胞にFDGの強い集積を認めた。心筋梗塞後早期の心筋イメージングでは、梗塞中心壊死部に浸潤した炎症細胞にFDG
が集積し、心筋viabilityを過大評価する可能性が示唆された。
- 99
急性心筋梗塞(AMI)後左室remodelingとgated SPECT, 123I-MIBG imaging,
および圧受容体反射感受性の関係
- 櫻井 圭一
- 【目的】AMI後左室remodeling、左心機能、心臓交感神経、baro-receptor sensitivity(BRS)の関係を検討する。【方法】対象はAMIにてPTCAを施行された33名。亜急性期、慢性期にgated
SPECT、123I-MIBG
imaging、BRSを測定した。【結果】左室remodelingの有無により、次のように有意な差を認めた。亜急性期BRS{左室remodeling(+)
対 左室remodeling(-) = 2.95±1.55 対 4.91±1.84ms/mmHg:
p<0.05} 、慢性期BRS(2.85±2.37 対 7.29±3.61ms/mmHg:
p<0.05)、亜急性期WR(52.25±7.03 対 42.27±9.98%
p<0.05)、亜急性期H/M(遅延像)(1.74±0.26 対 2.02±0.35
p<0.05)、慢性期EF(35.38±11.28 対 51.8±10.33% p<0.001).
【結論】AMI後の左室remodelingは、左心機能、心臓交感神経機能、圧受容体反射感受性に強い影響を与えている可能性が示唆された。
- 100
BMIPP心筋シンチグラフィは不安定狭心症の重症度評価に有用か?局所壁運動ならびに神経体液因子からの検討
- 伊藤 幸子
- 不安定狭心症の連続26例に安静時Tl,BMIPP
dual
spectを施行し同時に血中BNP,hANPを測定した。BMIPPはQGSにて心機能を評価。心筋SPECTは20分割し欠損スコア(DS)で評価し総計をTDS
とし、壁運動をWMS(0=normal to
-5=dyskinesis)で評価し合計をTMWSとした。<結果>【1】TDS(BMIPP-delayed)(9.8±1.5)はTDS(BMIPP-early)(6.8±1.5)およびTDS(Tl)(2.7±1.1)より有意に大であった(p<0.05)。【2】TDS(BMIPP)delayはTWMSに良好な相関(r=-0.89)、BNP,EF,EDVに弱い相関を示し(r=0.56,
-0.57,
0.51)、hANPには相関を示さなかった。<結論>BMIPP心筋シンチグラフィは虚血による心機能低下の重症度を鋭敏に反映するため治療方針決定に有用である。
- 101
スタンニングの回復予測におけるBMIPP、99mTc-tetrofosmin、FDG-PETの有用性
- 関 秀格
- スタンニング部位の機能回復予測における<SUP>99m</SUP>Tc-tetrofosmin(TF)とBMIPPの有用性を、<SUP>18</SUP>F-fluorodeoxyglucose(FDG)-
PETと比較検討した。再灌流療法後再狭窄のない急性心筋梗塞10例に3週以内にTFとBMIPP、FDGPETを、5ヶ月後にTFを撮像した。SPECT、PETの20区域の取り込みを4段階(0:normal~3:defect)に、TFのQGSを用い、壁運動を6段階(-1:dyskinesis~4
:normal)に評価した。BMIPPの欠損がTF,
FDGPETより強い区域をミスマッチ部位とし、壁運動の改善を検討した。結果:TFとBMIPPの感度は62%、特異度は80%、正診率は70%
(FDGPETとBMIPPでは感度94%、特異度38%、正診率71%)であった。結論:
TFとBMIPPはスタンニング部位の機能回復予測に有用であった。
- 102 急性心筋梗塞における201Tl/123I-BMIPP
dual心筋SPECTの有用性 -心筋逸脱酵素との比較検討-
- 福嶋 善光
- 心筋障害に鋭敏なTrop-TがAMIの診断基準に追加された.Trop-TおよびTl,BMIPP(BM)
dual
SPECT像と心筋逸脱酵素との関連性につき検討を行った.AMIが疑われDual
SPECTを施行した41例全例でTrop-Tは陽性.うちCK-MB上昇は33例(A群),非上昇は8例(B群)であった.両群で,心筋像のtotal
defect score (TDS),extent score
(ES)を算出した.TDSはTl像ではA群 7.0±3.7,B群
2.1±2.3と後者で低値であったが(p<0.01),BM像では有意差を認めなかった.ESも同様にTl像でのみ有意差を認めた.B群8例中,障害冠動脈域の同定はTl
3例(37.5%)に対し,BMでは全例同定可能であった(p<0.05).心筋障害軽症例におけるBM
SPECTの有用性が示された.
- 103 Ischemic
Preconditioningは心筋脂肪酸代謝に影響を与えるか?
- 川上 秀生
- 【目的】Ischemic
Preconditioning(IP)が急性心筋梗塞(AMI)の心筋脂肪酸代謝に与える影響について、123-I-BMIPP
SPECT(BMIPP)を用いて検討する。【方法】再潅流療法に成功した80才未満の初回前壁中隔AMI20名。発症48時間以内に胸痛発作を認めたIP群(n=10)、突然発症のSO群(n=10)とした。7日以内にBMIPPを撮像し、BMIPP早期像のpolar
mapより%regional distributionが80%未満の領域をRisk
Areaとし、Risk Area、Risk Area以外及び左室全体の洗出し率(RAWOR,
NRAWOR, TWOR)を算出し、2群間で比較検討した。【成績】IP vs
SO、RAWOR;17.2±16.0 vs -3.7±14.3(p=0.0265)。NRAWOR;
21.3±17.5 vs 25.4±12.9(ns)。TWOR; 20.6±13.8 vs
4.3±13.0(p=0.0450)。【結論】IPは心筋脂肪酸代謝に影響を与えており、慢性期心機能改善に関与していると思われた。
- 104
発症早期99mTC-Tetrofosmin心筋シンチグラフィ安静二回撮像法による急性冠症候群症例リスクの層別化
- 新井 芳行
- 【目的】発症早期99mTc-tetrofosmin心筋シンチグラフィ安静二回撮像法(MYO2)による急性冠症候群症例(ACS)リスク層別化が可能か否かを検討。【対象と方法】対象はACS19例(男17例、女2例、年齢61±10歳)。発症1週間以内に99mTc-tetrofosmin740MBq投与後、早期像(a-i)、後期像(d-i)を撮像。心筋血流定量化ソフトQPSより血流低下域extent(%)(E)を算出。a-iE、d-iEの組み合わせより3群(A群:a-iE<d-iE、B群:a-iE≒d-iE、両者E<5%)、C群:a-iE≒d-iE)に分類し、左室駆出率(EF)推移及び予後を検討。【結果】EF:A群:慢性期改善あり(43.3±7.6
to 57.3 ±10.8 %,p<0.05)。B群:急性期より良好(63.2±10.1 to
67.8±12.0%,NS)。C群:慢性期改善なし(48.6±11.8 to
49.4±11.7%,NS)。フォロー期間は460±160日(115〜625日)。イベントフリー率:A群、B群で100%と良好、C群は55%と低値。【結語】MYO2はACSリスクの層別化に有用。
- 105
非梗塞関連領域における局所心筋酸素代謝の検討
- 堀越 元三郎
- 【目的】急性心筋梗塞亜急性期における梗塞関連領域(IRA)、梗塞非関連領域(NIRA)の心筋酸素代謝をAcetate-PET
(A-PET)を用いて評価する。【方法】急性心筋梗塞16例にA-PETを施行した(平均14病日)。短軸2
スライスを16領域に分割し、領域毎にK
mono(K)を算出した。IRA、NIRA、健常5例のKを比較した。【結果】
1:16例256領域中IRAは94領域、NIRAは162領域であった。2: IRA のK
は0.044±0.013、NIRA のK
は0.056±0.012で、有意にIRAで低値であった(P<0.001)。3: 健常例
のKは 0.073±0.007でNIRA、
IRAより有意に高値であった(P<0.0001)。【総括】急性心筋梗塞亜急性期の心筋酸素代謝は梗塞関連領域のみならず梗塞非関連領域においても低下している可能性が示唆された。
- 106
急性心筋梗塞症例再灌流後におけるミトコンドリア障害と脂肪酸代謝異常の経時的比較による検討
- 田中 良
- 急性心筋梗塞発症17例にMIBIを用いて再灌流前のimage(Pre像)を撮像し、さらに再灌流後経時的に7日後、20日後、2ヶ月後の早期像、後期像およびBM像を得た。Pre像からMIBI早期像の7日後まで心筋血流は増加し(p<0.01)その後は緩やかに改善を認めた(p<0.05)。MIBI後期像、BM像は7日後から2ヶ月後の異常領域(NAA)の改善に有意差はあるがその差は少なかった
(p<0.05)。MIBI早期像とMIBI後期像、BM像ではミスマッチが生じMIBI後期像とBM像の両者は類似の画像を呈した。7日後、20日後、2ヶ月後の同時期でのMIBI後期像とBM像の相関はγ=0.986,γ=0.960,γ=0.986と強い相関を認め有意差は認められなかった。このことからMIBI早期像は心筋血流を表し、後期像は心筋脂肪酸代謝を評価するのに有用であることが示唆された。
- 107
心電図同期SPECTによる急性心筋梗塞後の心筋リモデリングの検討
- 藤原 征
- 目的:Gated-SPECTを用いて急性心筋梗塞(AMI)後の局所心筋灌流/心機能改善と心筋リモデリングとの関係を検討。対象・方法:再灌流治療に成功したAMI
24例。亜急性期(SA)と慢性期(C)に安静時Gated-SPECTを施行。拡張末期%カウント(ED)と壁厚増加率(WT)をリモデリングの有る群(RM(+))と無い群(RM(+))に分け比較。結果:SAEDとΔWT(CWT−SAWT)を比較すると、MI周辺領域ではSAEDは有意差を認めないが、ΔWTはRM(+)の方が有意に小さい(SAED;103±20%
to 100±14%, N.S, ΔWT;10±17 to 26±17, p<0.0001)。
MI中心領域ではED-SAはRM(+)の方が有意に小さいが、ΔWTは有意差を認めない(SAED;47±16%
to 56±16%, p=0.004, ΔWT;14±22 to 19±17,
N.S.)。全MI中心領域でSAEDとCWTに有意な相関を認めた(r=0.427,
p<0.0001)。結語:MI周辺領域の局所心機能の可逆性やMI中心部の心筋血流の程度はAMI後のリモデリングに大きな影響を与えている。
- 108
心電図同期SPECTを用いた冠血行再建術前後での壁運動改善の評価
- 肥田 敏
- 待期的冠血行再建術 (PTCA, CABG)
前後での心機能変化を評価するため,
負荷心筋シンチグラフィを行いQGSソフトによる解析を実施した。対象は狭心症33例,
陳旧性心筋梗塞43例。視覚的に全体及び血行再建部位のdefect score
(DS), reversibility score (RS), wall motion asynergic score
(WMS) 及びEDV, ESV, LVEFを前後で判定した。血行再建前と比較し,
再建後ではEDV (93.7±30.5→88.4±33.5ml; p<0.05), ESV
(50.2±24.3→45.5±25.0ml; p<0.05) は低下し, LVEF
(48.7±11.5→50.8±11.0%; p<0.05)
は増加した。また血行再建部位のDS (0.8±0.8→0.5±0.7;
p<0.0001), RS (0.8±0.7→0.3±0.4; p<0.0001), WMS
(1.0±1.0→0.8±0.9; p<0.05)
は低下した。心電図同期SPECTを用いて血行再建術前後の血流及び壁運動評価が可能であり,
冬眠心筋の評価も可能であると考えられた。
- 109
複数心筋機能画像のクラスタリングによる治療前後の心筋機能評価の試み
- 外山 比南子
- 治療経過に伴って、心筋血流・代謝機能がどのように関連し変化していくかを評価することを目的とし、虚血性心疾患例を対象に、治療前後で撮影した201T1早期(負荷時)・遅延画像、BMIPP、MIBG画像の極座標表示画像を用いて3〜4次元の相関画像を作成し階層的凝集型クラスタ法によりクラスタリングを行った。次に、これに基づいてクラスタ分けした心筋画像を作成した。GABG前後で、201T1及びBMIPP検査を行った虚血性心疾患例では、4クラスタに分類された。各クラスタの特徴は、各々の機能の平均値と標準偏差で表し、治療前後のクラスタの移動や面積の変化を評価した結果BMIPPの集積低下は、GABG後の血流の回復より遅れることが分かった。治療前後の画像で相関図を作成しクラスタリングすることにより、各疾患例において、治療前後における機能および機能の組み合わせの変化を客観的・定量的に評価できた。
- 110
PTCA後の再狭窄の確認とコストの削減にMIBI負荷心筋シンチグラフィは有用か-多施設共同研究-
- 笠間 周
- 狭心症27例,心筋梗塞33例(男/女
44/16,年齢
66±11),64病変枝を対象とした. PTCA施行3-6カ月後に,MIBI負荷心筋シンチにて虚血の有無を確認し,同時期にCAGにて再狭窄を確認した.また12の危険因子より再狭窄に対するdanger
score(0=none to 3=very high
suspected)を算出した. 再狭窄は13/64(20%)認められ,再狭窄に対するMIBIシンチの感度は10/13(77%),特異度は48/51(94%)であった.Danger
scoreが0または1の34症例は最初にMIBI負荷心筋シンチを試行し,虚血の認められた6症例にCAGを施行したと仮定し,danger
scoreが2または3の残り26症例は最初からCAGを施行したと仮定すると,一人当りの平均のコストは16±8万円であった.全症例にCAGのみ施行した時の一人当りのコストは21万円であり,有意差(p<0.0001)が認められた.
- 111 primary PTCA後早期のstunned
myocardiumの検出<BR>-QGSを用いた検討-
- 栗原 裕彦
- 【目的】安静QGSを行うことによってprimary
PTCA後早期に心筋血流と機能のmismatchを示すstunned
myocardiumを検出できるか否かを検討した。【方法】primary PTCA
に成功した26例を対象とし、第3病日に行ったQGSで以下に示す3領域を決定した。3、21病日のQGSで求めた壁運動を各領域間で検討した。【成績】tableに示す。【結論】安静QGSを行うことでprimary
PTCA後早期のstunned
myocardiumの検出が可能であり、壁運動改善の予測に有用と考えられた。
- 112 Primary
PTCA症例におけるNicorandilの急性期血流改善効果の検討
- 福井 政慶
- 【目的】Primary
PTCA後の心筋血流を定量化し、Nicorandil群(N)とControl群(C)で比較した。【方法】PTCAに成功した51例にPTCA前、直後(60分)、1ヶ月後にTetrofosmin
SPECTを行い、13 segment modelでDefect
score(DS)を求め、PTCA直後の心筋血流変化率(%ΔDS)を算出した。【成績】梗塞サイズ、PTCA直後のDS、no
reflow出現頻度はN群で有意に小さかった。%ΔDSはN群で有意に大きかった。【結論】Nicorandil投与によるPTCA直後の血流改善効果が示された。
- 113
バイパス術後の機能評価:壁運動と壁厚増加率の比較検討
- 滝 淳一
- 【目的】心電図同期心筋SPECT(G-SPECT)によるCABG後の左室壁運動(WM)と壁厚増加率(WT)の変化、その意義を検討した。【方法】35人を対象としてCABG前、後1月にG-SPECTを施行した。解析はQGSを用い心筋を20区域に分けて検討した。【成績】LVEFは59±16%
から61±16%と不変であった。拡張末期(81±37 mlから69±29 ml,
p<.0001)、収縮末期(38±33 mlから30±23 ml,
p<.005)容積は共に有意に縮小した。% tracer
uptakeは心尖〜前壁中隔にかけて増加した。WMは中隔側で約2
mm低下し、側壁で約2
mm増加した。一方WT増加はいずれの領域においても低下を認めなかった。全700区域のWMと%
tracer
uptakeは術前r=0.49の相関を示したが、術後r=0.30へと低下した。WTと%
tracer
uptakeは術前r=0.76、術後r=0.69といずれも良好であった。【結論】CABG術後の機能評価には壁厚増加が適していると考えられた。
- 114
急性心筋梗塞症例での再狭窄予測:BMIPP・Tl二核種シンチによる検討
- 小仲 良平
- 急性心筋梗塞症に対するインターベンション(IV)後の再狭窄を急性期のBMIPP/Tl二核種心電図同期シンチグラフィ(シンチ)で予測出来ないか検討した。対象は、急性期にIVが行なわれ、慢性期に冠動脈造影が施行された52例である。検討した指標はデータベースをもとに求めたTlおよびBMIPPのseverity
score(Tl-SSおよびBM-SS)、両者の差であるミスマッチ(MIS)および左室駆出率である。6ヶ月まで再狭窄例は13例で、Tl-SS≧80、BM-SS≧80、MIS≧20、BM-SS≧80およびEF<50%、BM-SS≧80およびMISの場合に再狭窄例とした際のオッズ比を求めた;Tl-SS
0.89、BM-SS 3.44、MIS 3.10、BM-SS+EF 2.63、BM-SS+MIS
6.42であった。BM-SS+MISでのみ有意性が認めた(p<0.05)。急性期のBMIPP・Tl心電図同期SPECTの解析で再狭窄が予測でき、良好な指標はBM-SS+MISであった。
- 115
遠隔画像診断システムを用いた心筋SPECT診断の試み
- 木村 元政
- 高速ネットワーク通信網を用いて遠隔地から診断医に読影を依頼する、すなわち遠隔画像診断(テレラジオロジー)の試みもいろいろ行われているが、余り普及している状況とはいえない。私共も、平成11年8月より上越市新潟労災病院との間で島津制作所製装置(SimRAD)を用いて、心筋SPECT診断を開始し、依頼用紙や診断報告書の転送方法の改善をしつつ、現在までに約250件の診断を行ってきた。その結果、心筋虚血のスクリーニングとしての検査の場合には、依頼用紙のみの情報で診断可能であったが、以前に冠動脈バイパス手術や冠動脈血管形成術が行われている場合には、依頼用紙に記載されている内容のみでは情報が不十分であり、特に体動やupward
creepの影響との鑑別が難しい症例があった。診断精度を低下させないためには、今後診断に必要な患者情報を入手するシステムの開発が望まれる。
- 116 モバイル型ガンマカメラDigirad
2020tcによる坐位心電図同期心筋SPECTの臨床応用
- 鳥羽 正浩
- Digirad
2020tcは半導体であるSi-フォトダイオードを使用したモバイル型ガンマカメラであり坐位心筋SPECTも撮像可能である。健常者12名および心疾患4例を対象に、通常の臥位とDigirad
2020tcによる坐位にて心電図同期心筋SPECTを連続して収集し、横隔膜による深部減衰および心機能の比較を行った。健常者12名における下壁と前壁の集積比(I/A
比)は臥位0.89±0.09、坐位1.04±0.10と、坐位にて下壁の集積改善が見られた(p<0.01)。全例におけるQGSソフトによる心機能値は、拡張および収縮末期容積は臥位の95.7±25.5、40.0±14.6mlに比し坐位にて67.5±17.3、28.9±11.5mlと減少した(いずれもp<0.01)が、駆出率は不変だった。Digirad
2020tcによる坐位心筋SPECTは深部減衰を軽減させ体位変換による容積変化も検出可能であり、心疾患症例に対する臨床応用が期待される。
- 117
心プールシンチグラフィによる位相解析の再現性
- 足立 至
- 【目的】健常例に心プールSPECTを施行し、心室間dyssynchronyの指標として心室間位相角差(△(R-L))、心室内dyssynchronyの指標として心室内位相角標準偏差(右室:R_SD,
左室:L_SD)の再現性を検討する。【方法】男性6例を対象に心プールSPECTを施行し、位相解析を行った。両室に関心領域(ROI)を設定し、各症例の△(R-L),
R_SD,
L_SDを算出し、2名の術者が再現性を検討した。【結果】健常例での平均値は△(R-L)=-5±18
R_SD=30±11, L_SD=19±13であった。術者内変動は△(R-L):
y=0.55x-1.02 (R2=0.77), R_SD:y=0.83x-15.17 (R2=0.62), L_SD:
y=0.76x-10.7
(R2=0.53)であった。【結語】△(R-L)から心室間dyssynchronyは軽度見られ、R_SDから右室内dyssynchronyが強くかついずれも再現性が低かった。この原因として右室の心基部側のROI設定に相違が見られ、今後検討が必要と考えられた。
- 118
TlCl心筋SPECTにおけるFBP法とOSEM法の比較 下壁集積低下例での検討
- 徳永 毅
- 【目的】FBP(filtered back
projection)での下壁集積低下例をOSEM(ordered subsets expectation
maximization)で再構成し、有用性を検討した。【方法】下壁心筋梗塞既往のない70例。SPECT
像のartifactと下壁を心尖部から3分割し、集積程度(0:正常〜3:欠損)とtotal
defect score(TDS)を、また、Polar
mapから側壁(L),前壁(A),中隔(S),下壁(I)の心筋カウント(CC)を算出した。【成績】artifactは初期、後期像で34、56%減少した。TDSはFBPの初期、後期像の3.3,2.6からOSEMでの2.7,1.7へと低下した。CCはFBPに比べOSEMで初期像ではL,A,S,Iはそれぞれ11%,12%,13%,11%,後期像では11%,12%,13%,12%増加した。【結論】OSEMを用いた再構成によりartifactは減少し、心筋カウントが増加しSPECT
像は鮮明となり、下壁集積低下例での診断制度の向上が期待される。
- 119 PRISM 3000とPRISM
IRIXのSPECT画像の比較&;心肝ファントムを用いて
- 高橋 薫
- PRISM 3000およびPRISM
IRIXを用いて同一の条件で収集した場合のSPECT画像について、心肝ファントムを用い比較検討した。心筋のみで行った場合は、最大カウントは3000(LEGAP-PAR)を1とするとIRIX(LEGAP-PAR)は0.95,IRIX(LEHR-PAR)0.70となった。カウントプロフィール曲線は3者とも12時方向が最大で7〜8時の方向で集積低下(75%)が見られた。肝に集積があった場合には、最大カウントは心筋のみと比べ約1割低下していたが比率は変わらなかった。カウントプロフィール曲線は心筋のみの場合と同様であった.<BR> 心筋ファントム実験においてPRISM
IRIX(LEGAP-PAR,LEHR-PAR)はPRISM
3000(LEGAP-PAR)と同様の画像が得られた.
- 120
Tl-201運動負荷心筋SPECTにおけるCRT画像診断のためのデータ保存形式の検討
- 三谷 勇雄
- 放射線画像のデータファイリングのためには通常DICOM形式が推奨されているが、データ量が大きく利便性が損なわれる。今回我々はJPEG形式のデータファイリングの有用性について201Tl運動負荷心筋SPECT(ExTl-SPECT)の視覚的評価を検討した。解析装置はGE社製GEniEで、CRT画像にて左室を20分割して視覚的に半定量評価
(0:正常〜4:欠損)を行った。同解析画像を接続したPC(Vaio PCV-R71,
Sony)
にJPEG形式で出力し、別日に同様の解析を行った。本年4月に施行されたExTl-SPECT連続25症例における検討では画質の多少の違いは認めたものの、視覚的評価では集積異常スコアの一致度は92%で、集積異常の判定では専用機での評価にほぼ一致した。