カビル Kabyle


 アルジェリアのカビル地方出身者の音楽も、世界的に知られています。

 カビル人はベルベル人の一派です。ベルベル人はアラブ侵入以前から北アフリカにいた先住民とされています。

 カビル人の中にはアラブ語を受け入れた人も多いですが、ベルベル語の一種であるカビル語を使い続けている人も多く、彼らのアイデンティティ認知の要求は 長い間アルジェリア政府の弾圧の対象となってきました。ベルベル文化擁護の姿勢でもっとも活発に活動した歌手マトゥーブ・ルーネスは1998年に暗殺され てしまいました。
 今日ではベルベル語(タマジグ語)はアルジェリアの国語のひとつとして認められています。

 かつてアルジェリアからフランスに労働者としてリクルートされた人の多くはカビル人であったために、現在フランス在住のアルジェリア系人のおよそ7割が カビル系と推定されています。
 それだけに、フランス在住の移民層におけるカビル音楽の重要性は無視できないものがあります。

 ベルベル文化、カビル文化が存亡の危機に瀕していた1970年代、アイト=メンゲレット、イディールなど一群の歌手がデビューし、多くの場合フランスに 渡って、カビル語で音楽活動を行いました。彼らのスタイルは60年代世界を席巻したフォークムーヴメントを連想させます。

 今もタクファリナス、アクリDなど多くのカビル系歌手が、主にフランスを中心に活動を続けています。